その高齢婦人の私への?語りかけは魔法の呪文のように私の足を麻痺させてしまう。速度が遅くなりそうになるたび、私は自分の大腿を叩きながら筋肉を鼓舞させ、かろうじて横を通り過ぎた。しかし案の定、私の背中にめがけても魔法の呪文のような艦砲射撃が浴びせられ続けた。「あたしゃぁ・・心臓の手術・・・・死にそうになっ・・・・・で、膝が・・・・・・」 このまま射程距離から離れるには周囲の目が怖かった。誤解なきよう申し述べますが私は彼女と何の面識もありません。うちの外来にも来られておりません。また彼女は私が医者であることも知りません。なのに何故いつも私に・・・?