この憤まんやるかたない状況で自分の表情はいわゆる「ふくれっ面」になったようである。いきなり「何よ!その顔は!」と怒鳴られつつバチ~ンと顔を平手打ちされた。ちょうど頬と目のところ打たれたため衝撃で涙が出てきた。当時体罰などは当たり前の時代だった。自分のような可愛げのない生徒を容易くコントロールするには体罰が一番である。物理的に抑え込めるのである。担任は「何故、掃除をきちんとできなかったのか理由を言うまで廊下に立っていなさい」と言った切り職員室に戻っていった。殴られたあとは誰でも萎縮する。次に何かを言ってもまた殴られるんじゃないかと二の句がでなくなるのである。そのグータラ男子は立たされている廊下で「なんて言おうか?」「どうしようか?」「きちんと話そうか?」といろいろ話し合ったのである。