吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

国内14年ぶり狂犬病発症 来日者、フィリピンで感染か 愛知・豊橋 その2

2020年05月27日 06時15分22秒 | 日記
 報道にもあるように狂犬病の国内感染は昭和35年ごろだったかが最後で以後報告されていない。その後、帰国者が海外で噛まれて国内で発症したというのが2006年であり、今回はそれ以来の感染となる。
 狂犬病というと大昔、外科研修時の思い出である。某地方都市の病院に勤務中、夜「犬にかまれた」と男が救急外来に飛び込んできた。傷はたいしたことないが興奮している。「俺は狂犬病になるかもしれない。昔自分の知り合いが狂犬病で死んだ」というのだ。その死んだというのは昭和30年代のことではなく最近のことだと言うのだ。でもおかしい。昭和30年代から狂犬病は国内ではないのだ。それをたまたま自分は知っていた。
「まあまあ、おちついて、狂犬病はいまの日本にはないですよ。その狂犬病で死んだという人は本当にそうだったんですか?」と聞いたが、その男は「そうだ、狂犬病だよっ!」とまったく翻意しない。その男は狂犬病のワクチンうてだとか、抗血清注射はないのかと興奮がおさまらない。狂犬病の薬なんて常備しているわけはない。その興奮男の対応にうんざりした。本当にもういい迷惑であった。