吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

猿之助さん「家族会議した」死亡の両親“老々介護”か…段四郎さん 10年表舞台に出ず その2

2023年06月09日 06時03分09秒 | 日記
 上記医師のコメントにもあるが向精神薬は、少しくらいの量では致死量に至りません。数百錠内服しないと致命的にはならないのです。昔から向精神薬や睡眠薬などを大量服用して自殺する事故が後を絶ちません。そのため10年位前より、一度に処方できる向精神薬の量は1か月分とかなり制限を受けることになりました。たとえば「旅行に行くから」「実家に帰るから」「処方薬をなくしたから」などという理由も実は一切認められず、追加処方などはできないのが現状なのです。そうすると一体致死量の薬物をどうやって手に入れたのか疑問に思います。
 過去、薬物による自殺企図者の心無い行動のために、本当に多くの善良な市民への処方が制限される現状は哀しく思われます。
 今回の有名人における向精神薬服用の自殺は、もちろん自殺自体、公序良俗に反する行為であるのはもちろん、それ以上に向精神薬を用いたということで許されないものであります。
 なくなった方へはもちろんお悔やみは申し上げますが、その手段によって以後、薬物処方において、より厳重な制限が加えられるかもしれず、「先生、これがないと寝られないんですよ。お願いですから追加投与して下さいよ」と半べそをかきながら懇願する善良な市民に対してまた大きな遺恨を残すことになるであろうと思われます。
 正直、この事件はいい迷惑です。