吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

閑話休題 米国大統領

2016年11月11日 05時52分32秒 | 日記
 まさかトランプ氏がなるとは思わなかった。政治経験のない人だが今後どうなるのであろうか? TPPも先行きが見えない。特に駐留米軍が引き上げたなら、「虎に威を借るキツネ」である日本に周辺諸国が入り込んでくるような気がする。
 今でさえ竹島問題や尖閣諸島問題がある。またつい最近はロシアの哨戒機が三陸沖を航行したと聞く。米国の後ろ盾がなくなると北朝鮮のミサイルも増えるんじゃないかと危惧するのは自分だけであろうか? 

 こうなると他国に侵攻されても、憲法9条が守ってくれるのではなく、手も足も出せない[「足かせ」になってしまうなんてことはないですよね? まさかね~。ちょっと不安。


電通新入女子社員の自殺 その5

2016年11月10日 05時40分48秒 | 日記
 社員が自殺しないように周囲が気を遣って環境整備しているという会社はどのくらいあるのか? 今の世の中、みな生き残りをかけて必死になって仕事をしているのである。
 自分も特別な職場だったのかもしれないが、自分が潰れないよう頑張ってきたつもりである。今回の彼女の自殺の報道であるが、その原因云々ではなく、自殺という行為は反社会的不道徳行為である、やってはいけないことであるとメディアの論評がほしかった。
 何だか今は「不倫行為」のみが反社会的不道徳行為として流行りのようにやり玉に挙げられているがマスメディアの視点はずれている。

 過去自分は、多くの自殺未遂者の診療にも従事してきた。救命することに全力を注ぎその自殺にいたる理由などはどうでもよかった。ただ病院はみんな助かりたいという人が来るところであって、死にたいという人を受け入れるところではないと何度も思った。自分の昼夜に渡るエネルギーをこのような人たちに費やすことを虚しく感じたのである。そのため手を抜くことはなく葛藤を抱えながら診療に従事していると自分も「鬱」になることがよくあった。

電通新入女子社員の自殺 その4

2016年11月09日 06時35分25秒 | 日記
 東大卒というのは社会的にみても特別である。多くの卒業生が日本のいろいろな分野で日本を動かす中心的な役割を担っているのである。彼女が東大に合格した時、「自分は将来、日本のためなる仕事をするんだ」という青春の志に沸き立つ「他の」若者を、結果的に一人蹴落とてきているのである。
 もしかしたら日本の将来の大事な人材が一人失われたかもしれない。そういう意味では、彼女の死で、彼女を含め、日本の有望な人材を二人失ったことになる。
 彼女は、将来日本のためではなく母のために東大に入ったというのであればそれでも構わないが、結果的に最大限の親不孝もしているのである。
 精神衛生上に問題をきたすという規定残業時間を越えていることは会社に問題がある。しかし原因は果たしてそれだけなのであろうか? 複雑多岐にわたる現代の病理であるが、それにしても彼女を死に至らしめたと思われている「鬱」(メディアでの発表にはないが)という病気は何だか最近随分増えてきているような印象である。とても会社側の管理の問題だけが誘因になっているとは思えないのである。

電通新入女子社員の自殺 その3

2016年11月08日 06時36分18秒 | 日記
 この事件が何故ニュースとして報道されたのか不思議である。
 自殺したのが若い女性だったから? 東大卒業だから? 電通だから? ニュースバリューを見出すのは難しい。
 報道では言ってくれないことであるが、自殺とは「公序良俗に反する行為」であることである。この行為はやはりやってはいけないことなのである。
 昔は、自殺とは人間の崇高なる精神性の具現化などと美化されることもあった。明治時代には旧制一高の藤村某が「曰く不可解」の辞世の句を残し華厳の滝に飛び込んだ事件があった。今回も彼の後輩にあたる東大卒の才媛である。
 しかし今の時代では自殺は社会的には認められていない行為のはずである(誰も言わないが)。このような方法で自身をterminateしたことは、東大を卒業し「母を早く楽にさせてあげたい」という親孝行の気持ちに逆行するものである。 結果的に親孝行ではなく「最大限の親不孝」になってしまった。
 とにかく彼女には冥福を祈るものである。彼女がこの反社会的不道徳的行為に至った要因は企業の従業員管理が問題だったのかもしれないが、それにしても彼女のとった行為はとにもかくにも最大限の親不孝だったのである。

電通新入女子社員の自殺 その2

2016年11月07日 06時09分12秒 | 日記
 亡くなった女性には最大限のお悔やみを申し上げる。
 確かに社会人になると自分が努力しました、一生懸命頑張りましたという途中経過よりも結果のみを評価されるのである。これはどこの世界でも同じであろうと思われる。
 しかし彼女は何故死を選んだのであろうか? 自分も職業柄過去に残業100時間などと言うのはごく普通にあった。2~3週家に帰れないこともざらにあった。廊下の床で新聞紙をしいて仮眠したことも一度や二度ではなかった。それは職業が違う、時代が違うと言われればそれまでである。もちろん自分がそうだったからと言って今のこの時代でもそうすべきというつもりは毛頭ない。しかしどこの世界でも皆やっている(いた?)のである。この辛さに耐えられないで途中でやめていった者もいる。
 でもそれでいいのである。死ぬくらいなら大事な命を守るために逃げ出してほしかった。やはり命は大事である。東大卒業の肩書と東大を卒業できたという能力があれば、その会社を辞めても他で通用するはずである。普通の社会人よりも以後の選択肢は多いはずである。
 でも死という選択肢はあってはいけない。それが「鬱になったから、病気だったから」という理由だったとしても、自殺という行為は認められるものではない。 追及するつもりはないが、逃げるのではなく自殺を選んだというその原因は理解しがたい。

電通新入女子社員の自殺 その1

2016年11月05日 06時14分42秒 | 日記
高橋まつりさんのSNS上の書き込みや友人とのやり取り(※いずれも昨年 )

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<電通新入社員>「体も心もズタズタ」…クリスマスに命絶つ 毎日新聞 10月7日(金)21時44分配信

 「仕事も人生も、とてもつらい。今までありがとう」--。昨年のクリスマスの早朝、東京で1人暮らしの高橋まつりさんから静岡県に住む母幸美さん(53)にメールが届いた。あわてて電話し「死んではだめよ」と話しかけると、「うん、うん」と力ない返事があった。数時間後、高橋さんは自ら命を絶った。

 高橋さんが中学生の時に両親が離婚。「お母さんを楽にしてあげたい」と猛勉強して東京大に入り、電通に入社した。だが高橋さんのSNSの書き込みは昨年10月以降、「体も心もズタズタ」「眠りたい以外の感情を失った」などと深刻になった。「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」などと上司からパワハラ発言を繰り返されていた様子も書かれていたという。
 政府が7日公表した初めての過労死白書は、「過労死ライン」とされる月80時間超の時間外労働をしている企業が2割あると指摘した。幸美さんは7日に都内で記者会見し「娘が生きているうちに対策をしてくれなかったのかという思いでいっぱい」と無念さをあらわにした。
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刻み食? その2

2016年11月04日 06時39分05秒 | 日記
 うちのクリニックでは老人ホームに入居中の患者さんの診療もしている。ある患者さんであるが最近食欲がない、食事をする気がしないと言っていた。よくよく話を聞いたら、食べたい気はあるのだが、目の前の刻み食をみたら途端に食欲がなくなるというのだ。あれは鳥のエサであって食べ物ではないと言っている。患者さんは嚥下障害がありよくむせるというのだ。普通食ならきっと食欲も出て食べられると思うのだが、やはり誤嚥が心配なのである。見た目が悪くて食欲をなくす刻み食であるが、これを出していれば窒息はないだろう。その点では施設側は「食材を細かく刻んでいます」と誤嚥に配慮していると家族に喜ばれるのであろうか? (ま 刻み食でも100%窒息予防にはならないが)

 このような裁判があると、世の中の施設はすべて刻み食、ミキサー食になってしまうだろう。それでも今回、原告のご家族は「ああ、これで報われた」と思うのであろうか? 認知症の方の行動は時に予測不能である。いきなり急に口にものを一杯詰め込むこともある。もしこの事故が家で起こった場合はどうするのか? 「お前がきちんと看ていなかったからだ」とお嫁さんを訴えるのであろうか?
 医療機関や介護施設は決して手を抜いているわけではないと思う。それでもご家族は自宅でとうてい看きれない介護の責任を厳しく施設側に要求するのであろうか? 


刻み食? その1

2016年11月02日 06時01分24秒 | 日記
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入院中食事詰まらせ死亡 遺族が病院機構提訴  16/08/24 河北新報

 国立病院機構盛岡病院(盛岡市)に入院していた女性=当時(69)=が死亡したのは、病院側が食事を喉に詰まらせないようにする注意義務を怠ったためとして、盛岡、滝沢両市の遺族が8月23日までに、病院を運営する独立行政法人国立病院機構(東京)に2200万円の損害賠償を求める訴えを盛岡地裁に起こした。

 訴えによると、女性は2014年1月22日、肺炎のため入院。同26日に病院が用意した昼食を喉に詰まらせて心肺停止状態に陥り、同2月2日、低酸素脳症で死亡したとされる。

 遺族は「アルツハイマー型認知症で早食いする癖があったにもかかわらず、病院は食事の介助や付き添いを怠った上、食材を細かく刻むなど誤嚥(ごえん)を防止する配慮をしなかった」と主張している。
機構側は「係争中のためコメントは差し控えたい」としている。
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認知症の徘徊 その5

2016年11月01日 06時01分05秒 | 日記
 因みに、まったく比較にはならない。また比較しているわけでもない。認知症者のかたと廃棄物の扱いを同レベルで論ずることはもちろんできないことであるし失礼なことである。
 参考までに・・・といった話であるが、医療廃棄物は、医療施設が対価を払って処理業者に廃棄を依頼する。
 ところがこの処理業者が処理料金をとっていながら、そのままどこか山中に不法投棄した場合であるが、もしゴミの中から排出した医療機関名が分かるものが出てきた場合、医療機関の責任になるのである。処理料という対価を払ってもゴミを出した排出者の責任は処理業者には移譲されないようである。いわゆる「廃棄物の排出者責任」は最終処理されるまで排出者にあるのである。

 都庁での説明会に出たら「時に自分で出した廃棄物がきちんと最終処分場で処理されているかを自分の目で確認することも排出者の義務ですから」とお役人から説明を受けた。何をおっしゃるか? そんなこと現実的にできるはずがない。

 このように廃棄物は対価をはらっても責任移譲できないのだけれども、しかし介護の現場では対価を支払えば認知症者の管理責任は施設側に移譲されて家族には責任がなくなってしまうということになる。この2者を比較しているわけではないがこの責任移譲の可否がどうも理解できないのである。