今を去ること64年、あの敗戦の夏、私は国民学校一年生でした。
その国民学校一年生の戦争の記憶を中心に、短歌風に三十一文字(みそひともじ)にしてみました。
短歌もどきにすぎませんが、ご笑覧を。

見はるかす街ことごとく焼け落ちてあのひと夏の山は近くあり
広島に特殊爆弾落つを聞き焼夷弾の何倍かと問う
野に遊ぶを白きシャツなど着せられて正座させられ聞きし玉音
玉音の背後で囃す蝉時雨 堪え難きを堪え堪え難きを堪え
ミャンマーに実父は死してシベリアに養父囚われ戦終わりぬ
教科書に塗る墨跡はのたうちて幼年の日々踏みにじりゆく
乾燥芋後生大事に携えて抑留解かれ父は帰還す (1948年)
焼け跡に耐えて残りし唯一のビル取り壊されて戦後終わりぬ
疎開せし地に田園の影はなし昭和を埋めて家立ち並ぶ
抑留の父に「異国の丘」重ね ともに歌いし母は病床
その国民学校一年生の戦争の記憶を中心に、短歌風に三十一文字(みそひともじ)にしてみました。
短歌もどきにすぎませんが、ご笑覧を。

見はるかす街ことごとく焼け落ちてあのひと夏の山は近くあり
広島に特殊爆弾落つを聞き焼夷弾の何倍かと問う
野に遊ぶを白きシャツなど着せられて正座させられ聞きし玉音
玉音の背後で囃す蝉時雨 堪え難きを堪え堪え難きを堪え
ミャンマーに実父は死してシベリアに養父囚われ戦終わりぬ
教科書に塗る墨跡はのたうちて幼年の日々踏みにじりゆく
乾燥芋後生大事に携えて抑留解かれ父は帰還す (1948年)
焼け跡に耐えて残りし唯一のビル取り壊されて戦後終わりぬ
疎開せし地に田園の影はなし昭和を埋めて家立ち並ぶ
抑留の父に「異国の丘」重ね ともに歌いし母は病床