六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

東大教授以外のオピニオン

2011-03-30 04:12:31 | 社会評論
 このひと、発言するときに笑いながらするのがやや気になりますが、東電から億単位の研究費を貰いながらシレッとして第三者ぶって解説する東大教授より、具体的なことをいっているように思います。
 
 とりわけ、今回急に、国民に露出された「原子力保安院」が、なぜ「不安院」になってしまっているのかの構造を明らかにしています。
 この武田邦彦中部大学教授、その論議には「異端」の批判もあるようですが、彼自身が原子力委員会のメンバーであったというキャリアを踏まえ、今回の件が官僚をはじめとした諸システムの「複合的な人災」であることを明らかにしている点は説得力があります。

http://www.youtube.com/watch?v=gW8pfbLzbas&feature=player_embedded

 武田教授の主張の当否はともかく、そうした論議の存在すら私たちのもとに届かないままに、原発の「現実的な運用」が行われていたことには唖然とします。
 「とにかく安全なんだから・・・」という実証抜きの「政治的主張」のもと、私たちには確たる情報ももたらされず、ただただその追認を迫られ、批判的な意見を黙殺する中で進められてきた結果が現状でしょう。

 こうした推進する側の情報公開の不全さこそ、その「安全性」の主張と裏腹に、この技術がまだ人間に馴致されていないことを示しているように思います。


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東京電力「さん」!!!!???

2011-03-28 21:56:04 | 社会評論
 NHKのニュースを観ていた。
 原発関連のニュースである。
 ゲストの専門家は東京大学大学院教授◯本とあった。
 NHKのアナウンサーは「東京電力は…」とか「東京電力に…」とかという口調で自然に話していた。
 ところが、この◯本教授は、「それで東京電力《さん》はですね」とか「東京電力《さん》としては」とかいちいち敬称をつけていた。
 NHKであれ民放であれ、この時期、東京電力を「さん」付けで呼ぶところはない。
 とても耳障りであった。

 東京大学へは、毎年、東京電力から5億円の研究援助費が出ているという。
 そこでこの◯本教授の隠されたメッセージは以下のようになる。
 「事態が事態ですから、多少、東京電力《さん》のご意向に添わないことを申し上げることになりますが、あなたのご恩を決して忘れたわけではありません」

 TVで東大教授が解説を行うときは、その内容から5億円分の《ご恩》を差し引いて聞くべきだろうと肝に銘じた。




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原発事故と私の胃の相関関係について

2011-03-28 00:28:46 | 社会評論
 あの災害以来、どうも気持ちが落ち着きません。
 いろいろなことが重なって超多忙なのですが、それらを一つ一つ落ち着いてこなすことが出来ないのです。
 自分自身、なんの被害も受けていないのに、こんなことをいったら被災者の皆さんには申し訳ないのですが、私自身の日常生活も少し歯車が狂ってきたようで、いままで興味のあったものについてもなんだか気がすすまないのです。
 音楽もあまり聴いていませんし、写真もほとんど撮っていません。
 頂いたコメントにもあまりきちんと応対し得ていません(ゴメンナサイ)。

          

 未だ救援が不十分な被災者のことも気になりますが、原発の件がとても心配です。
 収束するどころかどんどんひどくなってゆくようだからです。
 チェルノブイリ級かそれを越える可能性すら口にする人も出始めました。
 そんな事になったら、未来ある子供たちや、これから生まれてくる命への影響も懸念されます。
 
 事を荒立てる物言いをするつもりはありませんが、その影響や被害がますます増大していることは事実です。既に福島周辺の農産物はかなり広い地域にわたって出荷制限されていますが、出荷されたものも消費者の忌避にあって売れないのが実情のようです。

 国内にあってさえこうですから、輸出されている食品については世界中で敬遠され始めているようです。
 私たちは福島県周辺とそれ以外の地のものが区別できますが、外国から見れば、北海道のものであれ、九州のものであれ、すべて、メイド・イン・ジャパンなのです。
 私達自身、例の中国の毒餃子事件の折、かなりの親中派の人も含めて中国からの食品を避けたのですが、その際、それがあの広い中国のどこで作られたものかも確認せず、一律に拒否したのでした。
 いま、日本の食品がそうした目で見られ始めているようです。

          

 アクセルのみでブレーキ不全のテクノロジーに、ゴー・サインを出したかつての行政の責任は大きいというべきですが、その追及は後の事として、とりあえずはなんとしてでもこれ以上の被害の拡散は食い止めてほしいものです。
 
 あいかわらず、情報そのものがふらつくのが気にかかります。
 東電は実際に掴んでいる状況や今後の見通しを包み隠さず公表すべきです。
 決定的な危機についての公表はパニックになるという政治的判断については、公表の仕方にのみ気をつけ、内容的には明らかにすべきです。
 実際にそうした危機が突然襲った場合、そのほうがはるかにパニックに陥ることになるからです。

 ああ、また胃がキリキリ痛みます。
 私自身の危険をいっているのではありません。
 老い先短い身ですから、シーベルトであろうがシートベルトであろうが、はたまたモーツアルトであろうが怖くはありません。

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とても素朴な疑問ですが・・・

2011-03-26 02:03:41 | よしなしごと
         
         カルガモはともかくマガモをこんな近くでは初めてです

 何を書いても虚しい気がするのですが、なんの被害も受けなかった私が落ち込んでいても仕方が無いのであえて書きます。

 ひとつの疑問があります。
 それは農産物の放射能汚染についてです。
 野菜や牛乳から〇〇シーベルトの放射能量が検出されたので出荷停止をするとか、既に出荷されたものが返却や処分の対象になります。同時に風評などもあって、そうした地域からきた農産物すべてが消費者から退けられます。
 それを非難しようとは思いません。
 
 疑問はここからです。
 そうした発表の後、必ず、「それらを一年間毎日摂取し続けたからといって、人体には全く影響はありません」などというコメントが入ります。
 それならなぜ公表し、周辺農家に大打撃を与えるのでしょうか。

 たぶん、一定以上の数値が出た場合のそうした法律があるのでしょう。
 数値が出ているのに公表しないのも気味が悪いのでそれは致し方無いでしょう。
 しかし、「一年間毎日摂取し続けても何の害もない」ものを出荷制限するのはどんなものでしょう。

 それを明記した出荷はできないものでしょうか。
 「これは〇〇シーベルトを検出しましたが、一年間毎日食用しても人体になんの被害もありません」という明記をしてです。
 スーパーの片隅にでもそんなコーナーが出来ないものでしょうか。
 
 私はそれらを買います。
 別に英雄主義的にいっているのではありません。
 残り少ない人生ですし、それで生産者が一息付けるならいいと思うのです。
 ましてやそれが、一年間摂取しても無害ならばです。
 
 実は先日、生若布を求めました。いろいろな産地のものがありましたが、躊躇なく岩手の三陸産のものを選びました。
 震災前の出荷かもしれません。価格も一番高かったのです。
 しかし、それを手にしました。

 肉厚で美味しかったですよ。
 半分はワケギと一緒にヌタにしました。美味しくいただきました。
 あとの半分は翌日、きゅうりとともに酢のものにしました。
 これも美味でした。

 あえて言います。
 各スーパーは少なくとも被災地コーナーを設けるべきでしょう。
 半端な募金より、はるかにその地の生産者を勇気づけるのではないでしょうか。
 


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「花はいざ」と、人間の能力としての希望

2011-03-23 04:48:18 | ラブレター
 「人はいざ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほいける」は紀貫之の歌ですが、人のことはともかく、季節が至れば花は咲くといったような意味のようです。

 地震、津波、原発事故と、被災地では三重苦にあえぐ人たちがたくさんいらっしゃるのですが、わが家ではそんなことを知らぬげに、春の花々が咲き始めました。

       
      やっと咲き始めたレンギョウの間で日本水仙が頑張っています


 お亡くなりになった方々への供花として、また春なお遠い被災地の皆さんへのお見舞いとして、これらの花を献じたいと思います。

 希望という言語を発することすらはばかられる状況でしたが、そろそろ悲嘆から希望へ転じてもいいのかもしれません。もっとも原発事故は、今なおそんな楽観を許さないのですが…。

 50年は草木も生えないといわれたヒロシマやナガサキから蘇った歴史があります。
 国民学校一年生の私が見た岐阜駅頭からの光景は、当時の地方都市ではまだ珍しかった鉄筋の数屋以外はすべて焼け落ち一面の焼け野原でした。
 何キロも見通しが効く光景はかえって不気味で地獄だと思いました。

       
             やっと咲いたラッパ水仙です

 でもそこに今、私を含め人々は住んでいます。そして笑いさざめき平和な日々を送ってきました。
 さすがに今回の事態には粛として声もないのですが、しかし、そちらでのやがての復興を信じています。

       
      ユキヤナギの一種ですがたわわに花を付けることはありません

 人は自己産出的に強くなる動物です。他の動物が状況に飲み込まれたままなのに対し、人間はそれからの脱出を試み、またその道を探し当てます。
 さらにまた、人間は社会的動物です。どんな状況であれ、孤立ということはありえません。周辺の人間、あるいは目には見えない人間が自分とともに生きています。

 被災された方のいまの惨状からすると、こんないい方は無責任かもしれません。
 しかしこれは、人間という動物に備わった特異な能力なのです。変な「知識人」が騒ぎ立てる「民族」や「国家」以前に人間に備わった能力なのです。

       
       桜ん坊がなる木ですが例年の2割ぐらいしか花をつけません

 悲しみは膨大でしょう。
 しかしいつの日か、それを凌駕する希望の到来を信じて疑いません。
 希望を実現するための自由、それは常に人間のものです。

 私のところより少し遅れるかもしれませんが、やがて春が訪れるはずです。
 さしたることは出来ませんが、貴方たちから、視線を逸らせないでいようと思います。

 

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写真掲載とコンサートの話

2011-03-21 16:24:04 | アート
 時節柄、写真の掲載をしてきませんでしたが、少しずつ再開いたします。
 「琵琶湖落日」の写真です。

          
              陽が山の端に近づいて・・・

 また先般、前々からチケットを購入してあった大阪フィルの第三十四回岐阜定期公演へいった来ました。
 演奏の全プログラムに先立ち、「G線上のアリア」が粛々と演奏されました。

       
              落日寸前と釣りをする人

  演奏が終わっても、拍手をしていいものがどうかみんなが迷いました。
 最初はパラパラと、やがて一斉に盛大な拍手が沸き起こりました。
 それは演奏者を称えるというより、被災地への激励の拍手でした。

       
                 落日直後

 プログラムの中に、ベートーヴェンんの「第六」があったのですが、嵐の場面でつい東北の状況を想起してしまいました。

 指揮は延原武春氏。
 

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東浩紀氏の民族派への転向???

2011-03-20 04:39:49 | 現代思想
 以下は、NYタイムズへの東浩紀氏の寄稿です。
 いってることは至極まっとうですが、やはり、国家や民族の問題でのナイーヴさ、底の浅さが露呈しているのではないでしょうか。

  http://blog.livedoor.jp/magnolia1977/archives/52018307.html

 私もこの状況の中で人々が助け合い、忍耐をしている状況を大いに評価しますが、それを日本民族や日本国家の固有性に還元するのはいかかがなものかと思います。とりわけ次のようにいわれてしまうとやはり引いてしまうところがあるのです。

 「有害なシニシズムの中で麻痺していた、自分の中の公共精神や愛国的な自分を発見した経験は色褪せることは無いだろう。」

 公共精神はいざ知らず、愛国的な自分の発見とはいささか危ういのではないだろうかと思ってしまうのです。
 私はゆえあって氏の書いたものをざっと観たことがありますが、いささかの危惧を感じたのがいまわかるような気がします。1980年代以降のポストモダン世代は、国家や共同体との相克を経験してはいないのです。

 だからそれへの違和感をもった経歴を単なる「シニシズム」で片付けて、何かの契機で日本人万歳、日本国万歳に容易に「転向」しうるのです。

 繰り返しますが、私はこの事態への人々の冷静な対応を敬意をもってみています。もちろんそこには、買い占めといった不協和音などもあるのですが、全体としては感服せざるをえない状況にあると思います。

 ただしこれを、日本国家、日本民族の固有性のようなものに還元する氏の論調には危ういものを感じざるを得ないのです。ましてやそれが、「愛国的な自分を発見した経験は色褪せることは無いだろう。」などといわれてしまうとなおさらです。
 こうした「転回」を遂げた氏の論調が今後どのようなものになるかを見守りたいと思います。

    (デリダ読みがどしてああなるかなぁ?単なるコンストラクションではないの?)

 

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なぜ消されたのでしょうか?

2011-03-19 13:35:17 | 社会評論
 私が前回紹介した東京の友人に教えてもらったという動画、You Tube によって規約違反とかで消去されました。

 なぜあれが規約違反なんでしょうね。
 ヒトラーに「正論」を述べさせているからでしょうか?
 この時期の買い占めが、ヒトラーすら激怒するものであるというユーモアがなぜ理解されないのでしょう。
 観たところ、歴史上のヒトラーを正当化する意図など全くないと思いましたが・・・。
 あれを観た人が、実はヒトラーというのは正しい人だったんだと思うとでも考えたのでしょうか?
 そうだとしたら、人々をバカにした措置だと思います。
 
 もうひとつの可能性は、元ネタに対する著作権の問題かと思いますが、それを言い出したら、あらゆるパロディを作ることが出来なくなります。
 
 日本の隠然とした言論統制、それに先回りする自主規制……かくしてこの情報過多の時代に、ある種の情報は消されてゆくのですね。
 ちょっと暗澹たる思いです。

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【動画の紹介】ハイル!アドルフ!

2011-03-18 18:03:47 | 社会評論
 東京の友人が私のブログのコメント欄にこんな動画を送ってきてくれました。
 とても良く出来たパロディなのでみなさんにも紹介いたします。
 私は元ネタのこの映画を観ていましたので「ああ、あれだと」すぐわかりました。
 みなさんはいかがですか?
 ここではヒトラーに正論を述べさせています。
 映画の回答は下段に…。


     http://bit.ly/gqH52B

 







    





     










     「ヒトラー 最後の12日間」(2004)
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センセーショナルな言動の問題

2011-03-17 17:23:43 | 社会評論
 東京で凄まじい買い占めが行われていることが報じられ、TVはことさらに空の食品棚を写します。
 私もてっきりそうした状況が一般的なのかと思っていました。
 
 しかし、東京の友人によれば、必ずしも東京全域でそうした状況にあるわけではなく、少ないとはいえ食品が売られているところもあるのだそうです。
 彼によれば、むしろメディアのそうした報道が買い占めを扇動する結果となり、それが広がっているのではないかと言っています。

 名前の知られた人の幾分不用意なツイートも見られます。
  http://htn.to/8Ga2JN
 それによれば以下のようです。
 
 ”元科学技術庁長官が、今回の原発事故について「東電と政府の情報を絶対に信じてはいけない。信じたら大変なことになる」と個人的に打ち明けた。ご参考までに。なお、それをどう解釈するかは、皆さんの問題。”

 「科学技術庁長官」というのは政治的なポストで特に科学技術に詳しいわけではありません。
 たしかに私も東電や政府の情報開示はきわめて不十分だと思いますが、「絶対に信じてはいけない」とは思っていません。もしそうだとしたらどの情報を手がかりにしたらいいのでしょう。
 元科学技術庁長官や宮台氏が正しい情報を与えてくれるのでしょうか。

 上の氏の言動は、自分は「権威ある人」から「個人的に打ち明けられる関係」にあるという自己顕示以外のどんな内容も持っていません。
 むしろ、現実の背後で庶民が知らないことが進行しつつあるという陰謀論のようなもので、結果として人々にいたずらに必要以上の行動を煽る結果になると思います。

 危機管理についての点検や責任論は後から論じればいいと思います。
 とりあえずは、現場で不眠不休で被曝や負傷の危険性をも顧みず事態の鎮静に努力している作業員の皆さんの尽力が、その成果を見ることを願い、また彼らの無事を祈りたいと思います。

 こうした事態での過剰報道や陰謀論的発言が、関東大震災に際しての朝鮮半島の人々への虐殺に繋がったという歴史的経験を噛み締めるべきです。




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