県立図書館へ行く。
まず、出来立ての同人誌、最新号をカウンターへ持って行く。
ここでは、創刊号以来のものを収納してもらっている。
一般カウンターへ行き、借りていたものの返却。
新刊の陳列コーナーへ向かう。
興味のあるものが2冊あったのでそれをすぐゲット。
一冊はミラン・クンデラの最新訳小説、『無意味の祝祭』。
このチェコ出身でフランスで活躍する作家は、68年のプラハの春などの運動に関わったのを理由に、著作の出版禁止措置が取られるなどしたため、75年にフランスへ出国した。追っかけるように、79年、チェコの国籍が剥奪された。
1984年発表の『存在の耐えられない軽さ』は世界的ベストセラーになり、88年には映画化もされた。
しばらくの間、この作家のものを集中して読んだのは何年前のことだろうか。いろいろ懐かしい作家だ。
もう一冊は、韓国の思想家、李珍景の『不穏なるものたちの存在論』。
見過ごそうかと思ったのだが、題名が気になったので手にして目次を見たら結構面白そうな項目が並んでいる。
こうした未知の著者の本を探る時、各章の末に添えられた〈註〉が役に立つ。そこには、その著者の参照や引用のリストが並んでいるからだ。
で、この李珍景であるが、そのカバーする範囲は極めて広い。ヘーゲルからハイデガー、マルクスからフロイトやカフカ、さらに近いところでは、デリダやドゥルーズ、フーコー、そして谷川雁にまで及んでいる。ほかに、ダーウィンやベルグソン、アーレントなども散見できる。
何たる幅の広さだ。それらがどう組み合わされて彼の思想を形成しているかは読んでみないとわからないが、いずれにしても楽しみな書である。
なにも、西洋と日本でのみ思考活動が行われているわけではない。
当たり前だが韓国にもこんなに考えている人がいる。
それに触れる機会を持てたことはいいことだ。
ほかにも借りようとしていたが、この間、読むべき寄贈本などが結構あるので、この2冊に限定した。
雑誌のコーナーで、青土社の『現代思想』が、亡くなった鶴見俊輔さんの臨時創刊を出しているのを見かけたが、最新号は貸してくれない決まりなので、これは改めて本屋で買うこととした。
図書館を出てその中庭で一息ついていたら、アメリカハナミズキが真紅の実をつけている見かけた。この赤は、いつ見てもすごい。
隣接する県美術館の方を見たら、折からの日比野克彦の参加型野外展示作品がチラッと目に写ったが、事情があって今回は立ち寄らないことにした。
帰途、秋の日は早々と落ち始めていた。
あ、まだ買い物をしなければ今夜の夕食、特に動物性蛋白質が何もない、と気づいた。最近の検査で、貧血が指摘され、年齢とともにひかえていた肉類を食べろといわれたばかりなのだ。
買い物に行っていいこともあった。
ワインコーナーで、全製品20%オフのセールをしていたのだ。
食料品とともに、いつも飲むよりも少しだけ高価な、といっても20%オフでいつもと同じぐらいだからちょっぴりの贅沢だが、それらを3本(スペインが1本とチリが2本 いずれも赤)買った。
よき書とよきワイン、なんという小市民的幸福感!
明日、世界が崩壊するやも知れないのだから許せ!
まず、出来立ての同人誌、最新号をカウンターへ持って行く。
ここでは、創刊号以来のものを収納してもらっている。
一般カウンターへ行き、借りていたものの返却。
新刊の陳列コーナーへ向かう。
興味のあるものが2冊あったのでそれをすぐゲット。
一冊はミラン・クンデラの最新訳小説、『無意味の祝祭』。
このチェコ出身でフランスで活躍する作家は、68年のプラハの春などの運動に関わったのを理由に、著作の出版禁止措置が取られるなどしたため、75年にフランスへ出国した。追っかけるように、79年、チェコの国籍が剥奪された。
1984年発表の『存在の耐えられない軽さ』は世界的ベストセラーになり、88年には映画化もされた。
しばらくの間、この作家のものを集中して読んだのは何年前のことだろうか。いろいろ懐かしい作家だ。
もう一冊は、韓国の思想家、李珍景の『不穏なるものたちの存在論』。
見過ごそうかと思ったのだが、題名が気になったので手にして目次を見たら結構面白そうな項目が並んでいる。
こうした未知の著者の本を探る時、各章の末に添えられた〈註〉が役に立つ。そこには、その著者の参照や引用のリストが並んでいるからだ。
で、この李珍景であるが、そのカバーする範囲は極めて広い。ヘーゲルからハイデガー、マルクスからフロイトやカフカ、さらに近いところでは、デリダやドゥルーズ、フーコー、そして谷川雁にまで及んでいる。ほかに、ダーウィンやベルグソン、アーレントなども散見できる。
何たる幅の広さだ。それらがどう組み合わされて彼の思想を形成しているかは読んでみないとわからないが、いずれにしても楽しみな書である。
なにも、西洋と日本でのみ思考活動が行われているわけではない。
当たり前だが韓国にもこんなに考えている人がいる。
それに触れる機会を持てたことはいいことだ。
ほかにも借りようとしていたが、この間、読むべき寄贈本などが結構あるので、この2冊に限定した。
雑誌のコーナーで、青土社の『現代思想』が、亡くなった鶴見俊輔さんの臨時創刊を出しているのを見かけたが、最新号は貸してくれない決まりなので、これは改めて本屋で買うこととした。
図書館を出てその中庭で一息ついていたら、アメリカハナミズキが真紅の実をつけている見かけた。この赤は、いつ見てもすごい。
隣接する県美術館の方を見たら、折からの日比野克彦の参加型野外展示作品がチラッと目に写ったが、事情があって今回は立ち寄らないことにした。
帰途、秋の日は早々と落ち始めていた。
あ、まだ買い物をしなければ今夜の夕食、特に動物性蛋白質が何もない、と気づいた。最近の検査で、貧血が指摘され、年齢とともにひかえていた肉類を食べろといわれたばかりなのだ。
買い物に行っていいこともあった。
ワインコーナーで、全製品20%オフのセールをしていたのだ。
食料品とともに、いつも飲むよりも少しだけ高価な、といっても20%オフでいつもと同じぐらいだからちょっぴりの贅沢だが、それらを3本(スペインが1本とチリが2本 いずれも赤)買った。
よき書とよきワイン、なんという小市民的幸福感!
明日、世界が崩壊するやも知れないのだから許せ!