私は今、この内閣総理大臣というあなたの肩書きを、いつまで使用できるかという不安におののきながらこれを書いています。
というのは、私はあなたの続投を強く望むものだからです。
しかし、選挙後の会見において、この大敗にもかかわらず政権を続投なさるとの力強いご意志をお伺いし、いささかの安堵を致しております。
なぜ私が、その続投を望むかと言えば、あなたのなされようとする政治は、私ども国民にとって、とても分かりやすいからです。
あなたは、戦後レジームからの脱却というフレーズで、あなたのお祖父様(岸さんとおっしゃいましたか、A級戦犯でしたね)が商工大臣としてご活躍された戦前への回帰、すなわち戦前レジームへの回帰を示唆されました。
その具体的内容が、私たちが愛国・忠臣の民として、戦争が出来る普通の国になることであり、そのためには憲法の変更が必要であり、その前提としての教育基本法の改悪が必要であったことはいうまでもありません。
あなたのおっしゃる「美しい国・日本チャチャチャ」が、日本人の300万人が犠牲になり、近隣諸国の1,000万人が犠牲になったあの戦争の時代・昭和初期への回帰であるように思えて致し方ないのです。
そのためには、戦前の忌まわしい事実は、みんな隠さねばなりません。従軍慰安婦も、強制連行も、軍による集団自決命令も・・。
あなたのご出世を支えた拉致の一枚看板が、なぜ現実味を持たないか、周辺諸国からさえ無視されるのかお分かりですか?なぜ、「拉致の解決なくして進展なし」として臨んでいらっしゃる六ヶ国協議においても、その立場が完全に浮き、会議のお荷物にすらなり、ひいては、東アジアにおける外交でその影を完全に薄くしているかお分かりですか?
「権利を主張するためには、義務を果たせ」というのはあなた方が、私たち若者(?)によくおっしゃることですが、これは国際間においても一緒なのです。
「ぼくチャン、悪くないもんね。悪いのみんなあいつらだもんね」という駄々っ子のような言い分はいくらボンボンだからといって通用しないのです。
拉致の問題を放棄せよと言っているのではありません。むしろ、その現実的な解決のためには、「拉致、拉致」とわめき立てるだけでは駄目だということです。いわんや、拉致問題を盾にして、その背後に不都合なことを押し隠そうとするような態度は、この問題の単なる政治的利用であり、被害家族の期待を裏切るものといわねばなりません。
私個人の恨みもあります。
地方税と所得税の比率変更は、国民が払う税の絶対値は変わらないとのお題目にもかかわらず、年金生活の老人層を直撃しました。
年金以外、もともと収入がなく、基礎控除などでほとんど所得税がなかった層に、いきなり、地方税が襲いかかったのです。所得税の減税効果など全くなく、ただただ地方税が増えただけなのです。
これを、実質上の増税といわずしてなんと言うべきでしょう。
老人たちは既に前年、老齢者控除がなくなり、実質、年間5万円の増税に晒されているところへこの追い討ちなのです。
政治と金の問題もそうです。総理が任命した閣僚やそれに準ずる人たちは、税金でまかなわれる宿舎にクラブのママを囲っていちゃついたり(私もしてみたい!)、あるいは、なんとか還元水に巨額を投じ、それが説明できないままに議員宿舎で首を吊ったり(よそで死になさい!)、その後釜がさらに非道い誤魔化しをしていたりしている事実があるにもかかわらず、あなたはそれを黙認し、許容し、弁護すらしてきました。
ア、そうそう、「原爆は落とされても仕方なかった」とおっしゃった大臣もいらっしゃいましたね。
この方のご発言には、原爆を落とされ死んでいった人たちのことは全く眼中になく、ただそれが、リアルポリティックスの中でどう有効であったという視点しかありません。つまり、原爆を落とす側の立場から考えていらっしゃるのです。
年金の問題もそうです。公正に言って、これはあなた個人の責任ではなく、あなた方自民党の歴代政権が積み上げてきた悪弊に他ならないのですが、その、5,000万件の処理を一年でお済ませになるというとんでもトンデモ青い空のような嘘をおっしゃってはいけません。
それと年金問題は、不明になったそれについてのみではなく、納入実績など含め、その制度そのものが揺らいでいるのです。ようするに、国そのものへの不信なのです。
「なんとか改革」で、人を蹴落とすだけ蹴落としておいて、「自己責任の再チャレンジ」という言いぐさも、オーソレミオのナンタルチアというほかありません。
あなたの続投会見をお聞きしても、国民が何に怒っているのかをほとんどご理解されていないようです。むしろ「頭の悪い国民共が私のことを理解していない」と思っていらっしゃるむきがチラホラ致します。またしても、「ぼくチャン、悪くないもんね」なのです。
ですから、多分、多少のお色直しはされるものの、おそらくその分かりやすい政治をお続けになるでしょう。
その結果、私ども国民は、今までの美辞麗句、例えば「美しい国」という、それ自身は一般的、抽象的かつ無内容な言葉ではありますが、あなたが実際にイメージされていたその中味の醜さをこれまで以上に知るところとなるでしょう。
そして、それが来たるべき衆議院選挙まで継続されるならば、さらにいっそうあなたが考えておられることどもの胡散臭さが、私たち国民に浸透するのではないでしょうか。
そしてそれが契機となり、今一度あなたの党が惨敗するならば、あなたのお考えのレジームとは違った方向への可能性が開かれるかも知れません。
会見でおっしゃっていたように、今後は「茨の道」かも知れません。
しかし、めげずに、その醜悪で分かりやすい政治をお続けになりますよう祈念致します。
そしてそれこそが、あなたが小泉前総理から継承された課題、「自民党をぶっ壊す」の完成ではないかと思われるのです。
<追伸> ア、それから、改造人事とやらで、赤城さんの首をすげ替えるなどと言うことはゆめゆめしないで下さいね。あの人こそ、「安倍分かりやすい内閣」の象徴的存在なのですから。
●おまけです。
*民主党の皆さんへ
あなた方に寄せられた票は、ほとんど敵失によるもので、自民党への怒りをひとまずあなた方のところへ預託してみようという程度のものです。
それを勘違いすることなく、「勝っても被っても緒を締めよ」(?)で、真摯に国民の期待に添う努力をされるならば、あなた方の党の本当の力になるかも知れません。
もっともあなたの党にも、安倍さんのところに輪をかけた分かりやすい俗物がいますので、あまり当てにはならないのですが・・。
とりあえずは国民の期待に応えるべく、ご尽力をされますよう。。
*公明党の皆さんへ
まだ、自民党について行くつもりですか?
自民党に対するお目付役を自認されているようですが、今回の選挙で誰もそうは思っていないこと、そして、やはり同じ穴の狢だと判断されたことは明らかだろうと思います。
だから、あなた方の強固な組織力のみで、浮動票はあなた方にそっぽを向いています。
だいたい、選挙協力にしたって、あなた方の党の方は従順ですから、自民党に入れろと言われればそうしますが、逆に自民党の支援者があなた方の党に投票されるケースは極端に少ないと思いますよ。
それから歴史的教訓をひとつ。
自民党と連立を組んだ党は、ほとんど衰退しています。日本社会党(現・社民党)などは、あっぷあっぷしている自民党を助け出したのみで、自分の方が沈んでしまいました。
まあ、この辺りが潮時ではないでしょうか。
それとも、政権与党にくっついていると、私たちには分からない利権のようなものがあるのでしょうか。
というのは、私はあなたの続投を強く望むものだからです。
しかし、選挙後の会見において、この大敗にもかかわらず政権を続投なさるとの力強いご意志をお伺いし、いささかの安堵を致しております。
なぜ私が、その続投を望むかと言えば、あなたのなされようとする政治は、私ども国民にとって、とても分かりやすいからです。
あなたは、戦後レジームからの脱却というフレーズで、あなたのお祖父様(岸さんとおっしゃいましたか、A級戦犯でしたね)が商工大臣としてご活躍された戦前への回帰、すなわち戦前レジームへの回帰を示唆されました。
その具体的内容が、私たちが愛国・忠臣の民として、戦争が出来る普通の国になることであり、そのためには憲法の変更が必要であり、その前提としての教育基本法の改悪が必要であったことはいうまでもありません。
あなたのおっしゃる「美しい国・日本チャチャチャ」が、日本人の300万人が犠牲になり、近隣諸国の1,000万人が犠牲になったあの戦争の時代・昭和初期への回帰であるように思えて致し方ないのです。
そのためには、戦前の忌まわしい事実は、みんな隠さねばなりません。従軍慰安婦も、強制連行も、軍による集団自決命令も・・。
あなたのご出世を支えた拉致の一枚看板が、なぜ現実味を持たないか、周辺諸国からさえ無視されるのかお分かりですか?なぜ、「拉致の解決なくして進展なし」として臨んでいらっしゃる六ヶ国協議においても、その立場が完全に浮き、会議のお荷物にすらなり、ひいては、東アジアにおける外交でその影を完全に薄くしているかお分かりですか?
「権利を主張するためには、義務を果たせ」というのはあなた方が、私たち若者(?)によくおっしゃることですが、これは国際間においても一緒なのです。
「ぼくチャン、悪くないもんね。悪いのみんなあいつらだもんね」という駄々っ子のような言い分はいくらボンボンだからといって通用しないのです。
拉致の問題を放棄せよと言っているのではありません。むしろ、その現実的な解決のためには、「拉致、拉致」とわめき立てるだけでは駄目だということです。いわんや、拉致問題を盾にして、その背後に不都合なことを押し隠そうとするような態度は、この問題の単なる政治的利用であり、被害家族の期待を裏切るものといわねばなりません。
私個人の恨みもあります。
地方税と所得税の比率変更は、国民が払う税の絶対値は変わらないとのお題目にもかかわらず、年金生活の老人層を直撃しました。
年金以外、もともと収入がなく、基礎控除などでほとんど所得税がなかった層に、いきなり、地方税が襲いかかったのです。所得税の減税効果など全くなく、ただただ地方税が増えただけなのです。
これを、実質上の増税といわずしてなんと言うべきでしょう。
老人たちは既に前年、老齢者控除がなくなり、実質、年間5万円の増税に晒されているところへこの追い討ちなのです。
政治と金の問題もそうです。総理が任命した閣僚やそれに準ずる人たちは、税金でまかなわれる宿舎にクラブのママを囲っていちゃついたり(私もしてみたい!)、あるいは、なんとか還元水に巨額を投じ、それが説明できないままに議員宿舎で首を吊ったり(よそで死になさい!)、その後釜がさらに非道い誤魔化しをしていたりしている事実があるにもかかわらず、あなたはそれを黙認し、許容し、弁護すらしてきました。
ア、そうそう、「原爆は落とされても仕方なかった」とおっしゃった大臣もいらっしゃいましたね。
この方のご発言には、原爆を落とされ死んでいった人たちのことは全く眼中になく、ただそれが、リアルポリティックスの中でどう有効であったという視点しかありません。つまり、原爆を落とす側の立場から考えていらっしゃるのです。
年金の問題もそうです。公正に言って、これはあなた個人の責任ではなく、あなた方自民党の歴代政権が積み上げてきた悪弊に他ならないのですが、その、5,000万件の処理を一年でお済ませになるというとんでもトンデモ青い空のような嘘をおっしゃってはいけません。
それと年金問題は、不明になったそれについてのみではなく、納入実績など含め、その制度そのものが揺らいでいるのです。ようするに、国そのものへの不信なのです。
「なんとか改革」で、人を蹴落とすだけ蹴落としておいて、「自己責任の再チャレンジ」という言いぐさも、オーソレミオのナンタルチアというほかありません。
あなたの続投会見をお聞きしても、国民が何に怒っているのかをほとんどご理解されていないようです。むしろ「頭の悪い国民共が私のことを理解していない」と思っていらっしゃるむきがチラホラ致します。またしても、「ぼくチャン、悪くないもんね」なのです。
ですから、多分、多少のお色直しはされるものの、おそらくその分かりやすい政治をお続けになるでしょう。
その結果、私ども国民は、今までの美辞麗句、例えば「美しい国」という、それ自身は一般的、抽象的かつ無内容な言葉ではありますが、あなたが実際にイメージされていたその中味の醜さをこれまで以上に知るところとなるでしょう。
そして、それが来たるべき衆議院選挙まで継続されるならば、さらにいっそうあなたが考えておられることどもの胡散臭さが、私たち国民に浸透するのではないでしょうか。
そしてそれが契機となり、今一度あなたの党が惨敗するならば、あなたのお考えのレジームとは違った方向への可能性が開かれるかも知れません。
会見でおっしゃっていたように、今後は「茨の道」かも知れません。
しかし、めげずに、その醜悪で分かりやすい政治をお続けになりますよう祈念致します。
そしてそれこそが、あなたが小泉前総理から継承された課題、「自民党をぶっ壊す」の完成ではないかと思われるのです。
<追伸> ア、それから、改造人事とやらで、赤城さんの首をすげ替えるなどと言うことはゆめゆめしないで下さいね。あの人こそ、「安倍分かりやすい内閣」の象徴的存在なのですから。
●おまけです。
*民主党の皆さんへ
あなた方に寄せられた票は、ほとんど敵失によるもので、自民党への怒りをひとまずあなた方のところへ預託してみようという程度のものです。
それを勘違いすることなく、「勝っても被っても緒を締めよ」(?)で、真摯に国民の期待に添う努力をされるならば、あなた方の党の本当の力になるかも知れません。
もっともあなたの党にも、安倍さんのところに輪をかけた分かりやすい俗物がいますので、あまり当てにはならないのですが・・。
とりあえずは国民の期待に応えるべく、ご尽力をされますよう。。
*公明党の皆さんへ
まだ、自民党について行くつもりですか?
自民党に対するお目付役を自認されているようですが、今回の選挙で誰もそうは思っていないこと、そして、やはり同じ穴の狢だと判断されたことは明らかだろうと思います。
だから、あなた方の強固な組織力のみで、浮動票はあなた方にそっぽを向いています。
だいたい、選挙協力にしたって、あなた方の党の方は従順ですから、自民党に入れろと言われればそうしますが、逆に自民党の支援者があなた方の党に投票されるケースは極端に少ないと思いますよ。
それから歴史的教訓をひとつ。
自民党と連立を組んだ党は、ほとんど衰退しています。日本社会党(現・社民党)などは、あっぷあっぷしている自民党を助け出したのみで、自分の方が沈んでしまいました。
まあ、この辺りが潮時ではないでしょうか。
それとも、政権与党にくっついていると、私たちには分からない利権のようなものがあるのでしょうか。