私は約30年、名古屋は今池という街で居酒屋をやっていました。
私の店から5分も歩くと高牟神社というところがあり、ここが湧水のもととされ、「元古井」という地名の発祥でした。残念ながら、効率一本槍の町名改変の中で、この町名はなくなってしまいましたが、ここから南へ「古井の坂」が下り、その先に清水が自噴していたという「吹上」がありました。
この吹上にはその水を用いたサッポロビールの名古屋工場がありましたが、キリンvsアサヒの激戦にもまれて、しばらく前に撤退してしまいました。
ちなみにこの近辺の地名、今池、池下などはどれも水に関したもので、この地域がいかに水に恵まれていたかを示しています。
ちなみに、弁慶の掘った井戸があると言い伝えられている寺院もあります。
さて、話はこの高牟神社のすぐ近くに新しくコンサートホールとギャラリーが誕生したということです。オープンは今年の10月10日のことです。
一階はいくつかに区切られたギャラリー、二階は定員111名というこぢんまりとしたコンサートホールです。
名称は「5/R」というのですが、なぜそうなのかは「R」のつく五つの言葉が云々というコンセプトらしいのですが、この施設が、昭和薬品(株)のメセナであってみれば、自然と調和した身体がなんとかということになる様です。
愛想のいいスタッフのお姉さんがモデルになってくれたのに
私のドジで目をつむった瞬間に・・・本当は瞳の美しい人でした。
このホールへ初めて行きました。
古楽器についてのレクチャー付きのコンサートです。
楽器は二基のバロック・チェロ。
演奏者の一人は酒井 淳、名古屋出身のチェロ奏者で、現在はフランスを拠点にヨーロッパで活躍しているそうです。ヴィオラ・ダ・ガンバ、バロックチェロ、モダン・チェロとチェロ全体をこなすようですが、特にバロック・チェロの曲などを発掘し演奏しているようです。
もう一人は高橋弘治。彼も、2007年までラ・プティット・バンドのメンバーとして在籍し、時にはソリストも勤めたようです。
この二人の演奏の合間にレクチャーが入るのですが、弓やガット、エンドなどの違いをモダン・チェロとの対比で話してくれて、私のような門外漢にもある程度理解できました。
興味を持ったのは以下の点です。
バッハが無伴奏のチェロ組曲などを作曲した折のチェロは、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラといって、今のように足の間に置くのではなく、ヴァイオリンのように肩にかけるいわゆる「肩かけチェロ」ではなかったかという話です。
演奏者にとっては重労働ですね。
もうひとつは、古楽器ブームが始まって以来30年ほどして、その同じ古楽器の演奏そのものが当初から著しく変わっているということです。「原点に返れ」が合い言葉だったはずなのにこの多様化、やはり音楽は生き物で標本のように固定化することは出来ないということではないでしょうか。
いろいろ、考えさせられましたが、古楽器の手作りの音色が快く響いたことはいうまでもありません。それを聞くにはちょうど手頃なホールだったと思います。
当日の演奏曲を記します、
1)J・B・バリエール 四巻からソナタ第4番ト長調
2)L・ボッケリーニ ソナタ17番ハ長調
3)J・オッフェンバック グラン・デュオ・コンセルタン Op34n.1
あのオッフェンバックが最初はチェロ弾きだったことは知りませんでした。
彼の曲からは、やはりあのカンカン・ダンスの匂いがしました。
長年お世話になった今池に、こうした新しい場が誕生したことを喜びたいと思います。
私の店から5分も歩くと高牟神社というところがあり、ここが湧水のもととされ、「元古井」という地名の発祥でした。残念ながら、効率一本槍の町名改変の中で、この町名はなくなってしまいましたが、ここから南へ「古井の坂」が下り、その先に清水が自噴していたという「吹上」がありました。
この吹上にはその水を用いたサッポロビールの名古屋工場がありましたが、キリンvsアサヒの激戦にもまれて、しばらく前に撤退してしまいました。
ちなみにこの近辺の地名、今池、池下などはどれも水に関したもので、この地域がいかに水に恵まれていたかを示しています。
ちなみに、弁慶の掘った井戸があると言い伝えられている寺院もあります。
さて、話はこの高牟神社のすぐ近くに新しくコンサートホールとギャラリーが誕生したということです。オープンは今年の10月10日のことです。
一階はいくつかに区切られたギャラリー、二階は定員111名というこぢんまりとしたコンサートホールです。
名称は「5/R」というのですが、なぜそうなのかは「R」のつく五つの言葉が云々というコンセプトらしいのですが、この施設が、昭和薬品(株)のメセナであってみれば、自然と調和した身体がなんとかということになる様です。
愛想のいいスタッフのお姉さんがモデルになってくれたのに
私のドジで目をつむった瞬間に・・・本当は瞳の美しい人でした。
このホールへ初めて行きました。
古楽器についてのレクチャー付きのコンサートです。
楽器は二基のバロック・チェロ。
演奏者の一人は酒井 淳、名古屋出身のチェロ奏者で、現在はフランスを拠点にヨーロッパで活躍しているそうです。ヴィオラ・ダ・ガンバ、バロックチェロ、モダン・チェロとチェロ全体をこなすようですが、特にバロック・チェロの曲などを発掘し演奏しているようです。
もう一人は高橋弘治。彼も、2007年までラ・プティット・バンドのメンバーとして在籍し、時にはソリストも勤めたようです。
この二人の演奏の合間にレクチャーが入るのですが、弓やガット、エンドなどの違いをモダン・チェロとの対比で話してくれて、私のような門外漢にもある程度理解できました。
興味を持ったのは以下の点です。
バッハが無伴奏のチェロ組曲などを作曲した折のチェロは、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラといって、今のように足の間に置くのではなく、ヴァイオリンのように肩にかけるいわゆる「肩かけチェロ」ではなかったかという話です。
演奏者にとっては重労働ですね。
もうひとつは、古楽器ブームが始まって以来30年ほどして、その同じ古楽器の演奏そのものが当初から著しく変わっているということです。「原点に返れ」が合い言葉だったはずなのにこの多様化、やはり音楽は生き物で標本のように固定化することは出来ないということではないでしょうか。
いろいろ、考えさせられましたが、古楽器の手作りの音色が快く響いたことはいうまでもありません。それを聞くにはちょうど手頃なホールだったと思います。
当日の演奏曲を記します、
1)J・B・バリエール 四巻からソナタ第4番ト長調
2)L・ボッケリーニ ソナタ17番ハ長調
3)J・オッフェンバック グラン・デュオ・コンセルタン Op34n.1
あのオッフェンバックが最初はチェロ弾きだったことは知りませんでした。
彼の曲からは、やはりあのカンカン・ダンスの匂いがしました。
長年お世話になった今池に、こうした新しい場が誕生したことを喜びたいと思います。