六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

見知らぬ道の角を曲がると、そこには緑の塔があった。

2010-09-03 11:39:33 | インポート
 久々に自転車で出かけました。
 この酷暑の続く日々、自転車での外出は古希過ぎの身には過酷であるというより危険ですらあります。
 しかし敢えて出かけました。
 歩くとか、ジムへ行くとか、プールへ行くような特別な運動の機会をもたない私にとっては、この間の車の多用は決定的な運動不足を招いていますし、たまには外気を直接浴びて出かけたいものです。
 
 目的地は二、三点ありましたが、すべて近くで、さほど時間を要しないこともありました。こんなとき、車はいちいち駐車場所を見つける必要があり、かえって面倒な場合もあります。
 
 いずれも急を要したり時間の約束があったわけでありませんでしたので、汗を噴き出さない程度にゆっくり漕ぎました。
 こんな場合にも、私なりのルールは崩しません。それは少し遠回りになってもいいから、できるだけ通ったことがない道を行くということです。
 いつも見慣れた風景ばかりではつまらないと思うのですが、車ではそうした小回りがきかないので、自転車に乗った場合がチャンスなのです。

        
 
 先が長くないので、できるだけいろいろなものを見てやろうといういう貪欲さもあります。「生きているだけで丸儲け」という言葉がありますが、私の場合は「生きていることはそれなりに苦痛を伴うことが多いから、その埋め合わせにできるだけ快と感じるものを経験しなければ損々」という欲張りなのです。 
 
 そのおかげで、やはり面白いものを見ることができました。
 ちょっと脇道に逸れて角を曲がったとたん、緑の高い塔が目に飛び込んできました。しかも装飾つきです。回りに高い樹木がないのでその異様なたたずまいはいっそう目立ちます。

        

 近寄ると、芯になっているのは棕櫚の木で、しかもかなり高いものだと言うことが分かりました。それにびっしりと巻き付いて花を咲かせているのはノウゼンカズラだと思います。ごらんのように棕櫚の木はその先端に数枚の葉を見せるのみです。

 棕櫚の木にとっては迷惑な話だと思うのですがどうでしょう。しかし、あるいはこの酷暑の折から、ノウゼンカズラのおかげで涼しい思いをしているのかも知れませんね。

 他にはたいしたものは見ませんでしたが、この地方ではここ一〇日以上、夕立もなく、雨らしい雨も降っていないので、立ち枯れている植物たちが無残でした。
 かくして、私の自転車によるプチ旅は、無事に終了しました。

        

 九月に入ってからも暑い日が続きますが、こころなしか一頃のような湿気が少なく、その分、気温の割には過ごしやすいのかなとも思いました。

<付記>上記とは別の日ですが、暑い盛りにセールスマンの訪問を受けました。上下スーツに身を包み汗だくでやってくるのはとても気の毒で、勧めるものを買ってやろうかなとも思いましたが、全く必要のないものでしたのでお断りしました。
 
 私がサラリーマンをしていてスーツ姿で過ごしたのは、今から五〇年ほど前から四〇年ほど前への一〇年間で、当時は、今ほど暑くはなくて、三〇度を過ぎると大騒ぎをしたものです。


コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする