■先般のドイツ地方選において、極右政党が第一党に躍進した。
■今夏の私の旅は、どちらかというと東独圏であった。
■そのライプチヒに住む畏友K氏とドイツの政治状況について会話した際、彼はやはり東側に不満が蓄積していると指摘していた。
■三十数年前、東西ドイツは統合されたが、平等になったわけではない。
■K氏の指摘によると最近まで、同一労働についての東西の賃金格差は85%ほどであったという。むろん東が低いのだ。
■この差は、是正されつつあるとはいえ、いまなお不平等は残る。
■だから、東の勤労層にとっては外国人の導入などはますます危機と思われる。
■アメリカでトランプを支持するプアーホワイトと似た立場といってよい。
■加えて、東独時代を懐かしむ層もいる(極限すればナチズムとスターリニズムは類似点もある)。
■そんなことでの今回の結果だが、ドイツはEUの核をなす国である。そこでのこの事態は、ヨーロッパ全体に、否世界全体に影響を及ぼしかねないともいえる。
■この国のネット上にも、ヘイト画像なども含めた外国人排斥の記事がどんどん増えている。
■私は操舵手としてはもう老いてしまったが、中立などという生ぬるいことを言っていないで、取舵をいっぱいに切りたい。