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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

道草の穴場 まぼろしの「第2号公園」

2012-09-06 00:56:44 | 写真とおしゃべり
 なぜかわからないが時々立ち寄ってみたいところがあります。
 とはいえ、別にわざわざそこへ行くようなところではありません。
 ついでに、しかも時間に余裕があって、雰囲気が期待できそうな時間帯にだけです。

                 

 私の住むところは県都なのですが、数年前にいわゆる名画座系の映画館がなくなり、それらしいものを観ようと思えば名古屋まで出なければなりません。
 そのうちのひとつの館が「名演小劇場」で、冒頭に述べたのはそこと最寄りの地下鉄の駅「栄」との間にあります。

               

 そこには小さな公園があるのですが、地図には「第2号栄公園」とあります。
 と言うことは「第1号」があるはずなのですが、いろいろ検索しても出て来ません。もちろん「第3号」もありません。前後の連鎖を絶たれたようなとても不思議な公園なのです。

               

 ところで、冒頭に述べたちょっと寄ってみたいのは、この公園も含むのですが、正確にはその公園のすぐ北に隣接する東桜小学校との間の曖昧な一帯なのです。
 そのあたりの昼下がり、出来れば夕方近くのほとんど無人の時間帯がお気に入りです。

                  

 小学生たちが運動場で、思い思いにてんでんばらばらなことを言い合っているのも嫌いではありません。しかしここに関していうならば、都心近くでありながらエア・ポケットのようにふと訪れる無人で静寂な時間、それがたまらないのです。

               

 私自身が日常世界から神隠しに遭って連れてこられたように不思議な気分になります。歩みも動作も自然にゆったりとなります。
 別に哲学者気取りで何かを考えるわけではありません。ただぼんやりとその雰囲気に浸るのみなのです。

               

 そんなことですから、何がそんなにいいのかと問われてもこれと特定して指し示すことはできません。たとえ強いてそれを挙げても、ほかの人々と共有できるようなものでもないような気がします。
 私に固有の心象風景などと気取るつもりはないのですが、なぜか私にはここがいいのです。
 きっとみなさんも、自分に固有のそんな場所をお持ちなのではないでしょうか。

                  
                    これのみ公園から栄への歩道橋

 説明の代わりに何枚かの写真を載せました。
 ちなみにこの写真を撮った日、このエリアで私が出会ったのは、鼻歌を歌いながら自転車を漕いでいったオッサンと、なぜか私の後をついてきた一羽の鳩だけでした。
 

コメント
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