日本スペイン外交関係樹立150周年記念「音楽の花束」と銘打ったオルガンコンサートに行って来た。
場所は岐阜サラマンカホール。何百年も故障したままだったスペインのサラマンカ大聖堂のオルガンを、岐阜にオルガン工房をもつ辻宏氏が見事復活させたのを機縁に、サラマンカ市と岐阜市が姉妹関係を結び、この音楽ホールが「サラマンカホール」と名付けられたとあって、冒頭のような催しにはうってつけの場所である。

演奏者は、現在サラマンカ国立高等音楽院で古楽科主任教授などを務める、ピラ・モント・チカさん(女性)と自らオルガン設置などの事業に携わりつつオルガン奏者でもある後藤香織さん。
アンコールも含めて、7曲の演奏だったが、4手のものや2台のオルガンのためのものは二人で、ソロの曲はピラ・モント・チカさんの演奏だった。
曲目のほとんどがスペインの作曲家によるもので、不勉強な私が知らないひとの、知らない曲ばかりであった。
しかし、オルガンの荘厳な音色は心地よく、とくに4手の場合の音の広がりは、オケにも相当するぐらいで、全身をその音響に包まれるような心地がする。
プログラム最後の「日本古謡 さくらさくら(4手のための組曲)」はスペイン風のインプロビゼーションとカデンツァを含むもので、全体の構成としては組曲というより変奏曲といった感じであった。馴染みのメロディが、次々と異なる衣装をまとってたち現れる変奏の妙はやはり聴いていて楽しい。

演奏された楽曲はむろん楽しかったが、このコンサートの第二部は、「スペインオルガンの秘密」と題したオルガンに関するレクチャーで、奏者の二人が、オルガンの基本構造、スペインにおける各都市とその設置状況などをスライドと実演を交えて聴かせるもので、これが楽しかった。
無知な私は、オルガンなんてどれもこれも基本的には同じだろうと思っていたのが大間違いで、地方や時代によって大きく異なるとのことで、例えば、サラマンカのそれに見られる水平に突き出たトランペット管はスペインオルガンの特徴だという。
さらには、何となくぼんやり観ていたオルガンの各種パーツの説明も目からウロコだった。
例えば、鍵盤(サラマンカの場合は3段)の両脇に縦にならんでいるノブ(サラマンカでは60個)はストップノブ(音栓)といって、これによって音色を変えることができ、この操作次第では、鍵盤の中央から左右でまったく音色が変わってしまうこと、さらには足鍵盤(ペダル)は30鍵もあり、それにより、オルガンの左右にある巨大なパイプを鳴らすのだとのこと。
その他、知らないことばかりで、少なくとも、鍵盤楽器が弾けたらオルガンも弾けるなどという生易しいものではないことは十分わかった。

この白い部分がスクリーンで、演奏者の手元が映し出されていた
このコンサートでもう一つ特筆すべきは、オルガン奏者は高いところで観客に背を向けて演奏するため、音は聞こえるものも、どのように演奏しているのかがピアノ演奏のようにはわからない。
このコンサートではそれを解消する方法がとられていた。それは、演奏者の位置する高い演奏場所の下にスクリーンを設置し、それに斜め上方から撮ったその手元の映像が映し出されていたことである。これにより、ピアノのコンサート同様に、否、それ以上に演奏者の手元が鮮明に捉えられ、とりわけ4手の演奏などではそれぞれの手があるいは交差し、あるいは3段ある鍵盤を行き来するなど、その有様がよくわかった。
オルガンと私との距離をうんと近づけてくれたコンサートであった。
同時に、スライドで紹介された4台ものオルガンを設置しているというスペイン古都の大聖堂を訪れ、その4台の同時演奏を聴いてみたくなったりもした。
帰途、程よい気候の中、私の頭蓋骨は、荘厳なオルガンの音色にすっかり満たされていたのであった。
場所は岐阜サラマンカホール。何百年も故障したままだったスペインのサラマンカ大聖堂のオルガンを、岐阜にオルガン工房をもつ辻宏氏が見事復活させたのを機縁に、サラマンカ市と岐阜市が姉妹関係を結び、この音楽ホールが「サラマンカホール」と名付けられたとあって、冒頭のような催しにはうってつけの場所である。

演奏者は、現在サラマンカ国立高等音楽院で古楽科主任教授などを務める、ピラ・モント・チカさん(女性)と自らオルガン設置などの事業に携わりつつオルガン奏者でもある後藤香織さん。
アンコールも含めて、7曲の演奏だったが、4手のものや2台のオルガンのためのものは二人で、ソロの曲はピラ・モント・チカさんの演奏だった。
曲目のほとんどがスペインの作曲家によるもので、不勉強な私が知らないひとの、知らない曲ばかりであった。
しかし、オルガンの荘厳な音色は心地よく、とくに4手の場合の音の広がりは、オケにも相当するぐらいで、全身をその音響に包まれるような心地がする。
プログラム最後の「日本古謡 さくらさくら(4手のための組曲)」はスペイン風のインプロビゼーションとカデンツァを含むもので、全体の構成としては組曲というより変奏曲といった感じであった。馴染みのメロディが、次々と異なる衣装をまとってたち現れる変奏の妙はやはり聴いていて楽しい。

演奏された楽曲はむろん楽しかったが、このコンサートの第二部は、「スペインオルガンの秘密」と題したオルガンに関するレクチャーで、奏者の二人が、オルガンの基本構造、スペインにおける各都市とその設置状況などをスライドと実演を交えて聴かせるもので、これが楽しかった。
無知な私は、オルガンなんてどれもこれも基本的には同じだろうと思っていたのが大間違いで、地方や時代によって大きく異なるとのことで、例えば、サラマンカのそれに見られる水平に突き出たトランペット管はスペインオルガンの特徴だという。
さらには、何となくぼんやり観ていたオルガンの各種パーツの説明も目からウロコだった。
例えば、鍵盤(サラマンカの場合は3段)の両脇に縦にならんでいるノブ(サラマンカでは60個)はストップノブ(音栓)といって、これによって音色を変えることができ、この操作次第では、鍵盤の中央から左右でまったく音色が変わってしまうこと、さらには足鍵盤(ペダル)は30鍵もあり、それにより、オルガンの左右にある巨大なパイプを鳴らすのだとのこと。
その他、知らないことばかりで、少なくとも、鍵盤楽器が弾けたらオルガンも弾けるなどという生易しいものではないことは十分わかった。

この白い部分がスクリーンで、演奏者の手元が映し出されていた
このコンサートでもう一つ特筆すべきは、オルガン奏者は高いところで観客に背を向けて演奏するため、音は聞こえるものも、どのように演奏しているのかがピアノ演奏のようにはわからない。
このコンサートではそれを解消する方法がとられていた。それは、演奏者の位置する高い演奏場所の下にスクリーンを設置し、それに斜め上方から撮ったその手元の映像が映し出されていたことである。これにより、ピアノのコンサート同様に、否、それ以上に演奏者の手元が鮮明に捉えられ、とりわけ4手の演奏などではそれぞれの手があるいは交差し、あるいは3段ある鍵盤を行き来するなど、その有様がよくわかった。
オルガンと私との距離をうんと近づけてくれたコンサートであった。
同時に、スライドで紹介された4台ものオルガンを設置しているというスペイン古都の大聖堂を訪れ、その4台の同時演奏を聴いてみたくなったりもした。
帰途、程よい気候の中、私の頭蓋骨は、荘厳なオルガンの音色にすっかり満たされていたのであった。