昨夜、小沢幹事長との会談後に親指を立てた鳩山首相ですが、今日辞任を表明し、併せて小沢幹事長にも辞任を求め、鳩山・小沢体制が終わることになりました。
マスコミは早くも後継者は誰だということと、党内で最大派閥を率いる小沢一郎氏の影響力がどうなるかを中心に報道しています。相も変わらずの「政局」話です。
しかし、衆院選で自民党に圧勝し政権交代を果たし、自民党自体もまったく次の展望が描けない体たらくで、自らミスしない限り、どう転んでも今夏の参議院選も負けるはずはない状況だったにも関わらず、こうした状況に陥ったことは真摯に反省すべきでしょうね。
小沢幹事長の政治資金規制法に関する問題はやや作られた事件の気味があり、気の毒な感があります。しかし、本人にその意図がなかったとしても、結果的に民主党政権が政府と党の二頭体制になり、意思決定が迷走したことについては、第一義的には鳩山首相の責任ですが、小沢幹事長にも同様に責任があります。
その意味で、鳩山首相と小沢幹事長が同時に辞任することは当然のことだと思いますが、問題は、今後の体制を巡って、党内の最大勢力の小沢グループと反小沢という軸で争いを起こすと、また同じことが起きるということです。
小沢氏は今夏の参院選に全精力を注いでおり、ここで過半数をとり、政権交代を完全なものにすることを政治的な最終目標にしていたように伺われます。であるならば、ここで自らのグループに対して、妙な影響力を発揮しないのが、賢明です。
一方、「小沢氏と距離を置くグループ」という枕詞で紹介される人たちも、いい加減こういう存在感のなさを示す枕詞から卒業した方がいいですね。アンチ巨人は結局巨人がなければ存在意義がないと言われるのと一緒です。反小沢ではなく、「親国民」を貫けば自然と党内での存在感ももっとますのではないでしょうか。
そして、小沢チルドレンを筆頭に経験の少ない議員もたくさんいますが、1回生であろうと、10回生だろうと国民の負託を受けているという点では同等です。誰々に選挙で世話になったからとか、誰々を応援した方が得だからということではなく、次の体制を選択することが必要です。
そして、何よりもそういうことが組織的に継続していくような仕組みに出来るかどうかが民主党に問われているでしょうね。国民が民主党、というよりは、政権交代に期待したのはそういうことですからね。そこを勘違いしてはいけないですね。正直なところ、まだ全然過去を総括できていない自民党に政権を戻すには早すぎます。しっかりと立て直してくれることを期待します。