性懲りもなく(全然覚えもしないのに)、脳の本を読んでいます。以前『進化しすぎた脳』という本を読んで面白いと思っていた池谷裕二さんの著書で『脳は何かと言い訳する』(新潮文庫)です。
いろいろ面白いトピックスはあるのですが、ごくごく基本的なことでなるほどと思ったことは、記憶や学習にとって、マンネリがよくないということです。いろんなことに好奇心を持ったり、新しいことをしたりして、脳に刺激を与えることで、記憶力が高まったり、活性化したりするのだそうです。
なるほどと思う一方で、ではイチローのように毎日同じルーチンを繰り返すのはどうなんだろうと疑問に思ってしましました。来る日も来る日も同じ作業を繰り返す職人さんも同じです。
マンネリというのは、芸術・文学・演劇などでの型にはまった形式主義などのことだそうで、イチローや職人さんはまさにマンネリです。しかし、ここで言っているマンネリは、無目的な習慣化した行動とか、退屈な作業などの意のことで、目的を持ってある時点への到達を目指す芸術・文学・演劇などの形式主義は退屈な作業とは異なります。
イチローの日々の行動もまさにそうで、パフォーマンスを出すための一種の儀式のようなもので、決して無目的、無意識にやっているものではないのでしょうね。
イチローのように、求道者のように高い目標を目指して来る日も来る日も基本を繰り返す地道な姿勢を持ってもらうためにも、新しい刺激を与えながら、脳を活性化し野球を楽しんでもらえるような工夫も必要なのでしょうね。