昨日、西武・大久保コーチの解雇に至った顛末について、残念と書きましたが、今日は本人の反論も報じられていました。
曰く、罰金制度も選手たちが言い出したことで、球団も承知しているはず。曰く、暴力は振るっていない。ということです。
同時に、この程度のことは当り前と大久保コーチを擁護する選手やコーチの声などを載せ、返す刀で暴力を受けた当事者とされる雄星投手を批判する論調の記事もあります。曰く、結果も出していない雄星の言うことに振り回される球団が情けない、というものです。
これも彼らの側から見た心理的事実なのでしょう。きっと大久保コーチは情熱から良かれと思ってやっていたことで、罰金も選手から言いだしたことかもしれません。そして、「暴力」と言われるようなことも、絶対服従が当然の体育会系の世界では目くじらを立てることではなく、それで解雇になっていたら、誰も働けないというレベルなのかもしれません。
しかし、雄星かどうかは別にして、もう一方の側にも、また別の心理的事実があると思います。(おそらく大久保コーチに心酔する)選手が言いだした罰金制度に心の中では反対していても、集団の圧力で言い出せない選手にしてみれば、罰金を徴収するのがコーチであれば、実際はコーチのしていることと同じになります。また、している側にとっては愛のムチでも、されている側の自尊心が傷つけられることもあります。いじめも同じ構図です。
恐らく大久保コーチを擁護する声があるように、彼の指導は本当に選手のためを思ってのものだと思いますし、それを慕う選手がいるのも事実でしょう。しかし、自分がそう思うだけではダメなのだと思います。個性の強いプロフェッショナル集団では、昔から確執が生じることはよくありますし、昔なら確かに許されたことだと思います。しかし、今は時代が違います。かつては新人類と言われた私たち(大久保コーチも)の世代も、ただ一方的に命令されるのは違和感を持つ世代なはずです。そして、時代だけの問題ではなく、昔だってただ自分の指導法を押しつけるのではなく、指導できる指揮官はいたはずなのです。
プロ野球をはじめ、野球というスポーツは日本でもっとも裾野が広く、歴史があるスポーツであるにもかかわらず、指導者育成では遅れていますよね。大久保コーチも技術・情熱では非常に優れた指導者なのだと思います。こうした才能をつぶさないためにも、もっと総合的な指導力を組織的に育成するようにしてほしいですね。
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今日のジョグ
今日は迷わず休養。