津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

「阿部一族」番外編

2005-12-27 11:30:26 | 歴史
 森鷗外の小説「阿部一族」は、阿部家の隣人栖本又七郎が書いた「阿部茶
事談」が底本になっている。内容はいささか「はしゃぎすぎ」のきらいがある。
山本博文氏もその著「武士と世間」の「あとがき」で、栖本の「阿部一族の討ち
取りなぞは茶の子の茶の子の朝茶の子」の発言は納得出来ないし、死者への
礼儀を失していると記されている。
「御意」を破ったにもかかわらず、栖本又七郎はこの一事で名を上げた。
というよりも、鷗外がそうしたともいえる。
討手の大将竹内数馬の兄も「私」で参加したが、閉門となった。一方当番を免
ぜられ「御意」を守って「火の始末」にはげんだ近隣の某は、「人口悪敷聞へ候
間」思召しに背いたと思い「お暇」を願い出るが、藩主光尚から留められている。
某は光尚の死に当たり殉死した。
某こと山中又兵衛ニ百石、あの山中鹿之助の胤である。

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