津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

三斎好み茶室

2005-12-29 16:47:42 | 歴史
 かって、天龍寺の塔頭として存在したという真乗院は、細川頼之の建立
だと云う。寛永年間、三斎が再興に尽力しているが今はない。
そのなかに「三斎好み」と伝えられる茶邸がある。(「茶室おこし絵図集」
所収)四畳台目の非常に変わった間取りである。
にじりを入ると三枚の畳がしかれてあり、正面に床がある。
床前の畳から左へ伸びるように一畳これに炉が切られ、上方向に手前座
の台目畳が敷きこまれている。主客の座す位置にもよろうが、御手前は
なかなか見辛いことになる。

 細川家菩提寺泰勝寺のなかにある茶室「仰松軒」は、この真乗院茶室
の写しであろう、まったく同じ間取りである。勝手を挟んで「鎖の間」がつ
なげられているが、真乗院の茶室もこのような風情であったのだろう。
この茶室は「三斎好み」を体感できる素晴らしい茶室なのだが、一般には
開放されていない。もう何年も茶会に出席していない小生だが、来年は少
し体重をへらして三十分位は正座が出来るようにして、今一度あの空間の
中に身を置きたいと考えている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする