鹿島春平太チャーチ

「唯一の真の神である創造主と御子イエスキリスト」この言葉を“知っていれば”「天国での永生」は保証です。

Vol.17  「2代目はケチ」なのは

2007年09月22日 | 稲盛「哲学」と聖書の思想
                    


「稲盛『哲学』と聖書の思想」第17回です。
もう一つ「貧(トン:すべてを我がものにしたいという妄念)」の事例を考えましょう。

 経済界には「二代目はケチ」という通念というか常識があります。
経営者には自分で会社を創業したオウナー経営者というのがおります。
この跡取り息子を二代目といっています。正確には「二代目オウナー経営者」ですね。

これが概してケチだという。
いわれてみればその様にみえましたが、鹿嶋はその理由が長いことわかりませんでした。

                    


<設備投資を渋る>

 
オウナー経営者の場合、ケチといわれる代表的な行為は、会社運営にお金を出さないということです。より具体的には、「新規設備投資をしないで儲けを社内に蓄積していく」という行動に見られます。社員の出す設備投資案を承認するのを渋るんですね。

 会社の社内留保金というのは、オウナーにとっては実質的に自分のお金なのです。株主は会社の所有者で、会社の資産が自分のものなのですから。そこで設備投資に資金を投下するというのは、自分のポケットからお金を出すのと同じになるんですね。

 設備投資にはリスクが伴います。それをしない。技術革新が進んでいるのに研究開発投資をせず、古い設備のまま節約して、社員に稼いでもらおうとします。で社内留保がとても多い。こういう例は多いです。

                    


<過去の損失に過大にこだわる>

 他にも、サラリーマン重役や管理者が失敗したプロジェクトで損失した資金を、長く憶えこだわるというのもあります。のみならず、それを取り戻すという意識が後の経営思考に影響し続けます。

 あれで何十億の損をした、取り戻さないとなぁ、と次のプロジェクトを考える際にも、それが意識の中で過大に絡んできます。

 
                    


<長男の総取りにする>

 創業者は長男にほとんどすべてを継がせることが多いです。
次男、三男にも平等に株などを継がせると、権力争いになることが多いんですね。また、代々の相続がなされる過程で株が予想外な範囲に分散するという可能性もあります。で、会社に関しては一括相続をさせるケースが大半です。

それで、子供の頃から「跡取りはお兄ちゃん」と言い聞かせながら育てます。
すると、長男は幼い頃から、「あの広大な敷地も工場も本社ビルもみんなオレのもの」、という意識を持って育ちます。

稲盛哲学によれば、これが食欲を貧(トン)にストレートの成長させる条件になるのでしょうね。
これでは「分かち合う」という修行はゼロです。
だから、「すべてを我がものにしたい」となり、「少しのお金も出し惜しみする」性質が育ち、結果的にケチと見られるようになるのですね。


                    

<一人っ子の二代目となると!>

前回、一人っ子は独占欲が強くなる、ことをみました。
独占欲は「すべてを我がものにしたい」という欲望に通じています。また、これは「なるべくお金を出さないようにする」というケチに通じています。

 この一人っ子が、二代目オウナーになる場合はどうか。もう貧(トン)に到る環境がダブルで重なってきます。

 こういう例があります。
 膨大な資産家の御曹司なのに、学生時代において庶民育ちの学生よりもケチなのです。
親の跡をとってオウナー社長となっても、その性格はかわりませんでした。


                    

<鶴のように一本脚で>

 この種の経験で、鹿嶋には忘れがたい一場面があります。
もう時効でしょうから書きますと~~
一人っ子ではありませんが、長男の二代目経営者の会社で働くサラリーマン重役がいました。

鹿嶋はある夜、その重役と食事を共にして東京の繁華街を経営の話などしながら歩いておりました。で、どういう話のいきさつだったかは忘れましたが、ある時鹿嶋の口からこんな質問が出ました。

「新しい社長はどうですか?」

すると、重役は突然足を止めて、鹿嶋の後方に立ち止まりました。
鹿嶋に向かって身体を横にして静止しました。
そして半身の構えで吐き出すように一言だけいいました。

「ケチだね!・・・」

その様子が鶴が一本脚で立っているのに似ていましたので、今でも印象に残っています。
こうした経験は鹿嶋の内で蓄積してきてはいましたが、その原因の理解が漠然とした状態でした。
稲盛哲学を読んで、それが明確化したような気がしています。


                    




コメント
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