前回、教理よりも聖句に権威を置く方式を、「聖句上位主義ないしは聖句至上主義」と呼ぼう~と言った。
今回は、今ひとつこだわって、さらに微妙な点に立ち入ろう。
「上位主義」と「至上主義」との間のニュアンスの差を考える。
+++
至上主義の語には、聖句をあがめ、教理の存在を否定する、ようなニュアンスがある。
上位主義の語には、そういう感情は少なく、両者の存在をともに認めているニュアンスがある。
そして、バイブリシズムに対する、より適切な訳語は、聖句上位主義の方だと思われる。
+++
聖句に教理はつきものだ。
聖句があれば、人は、それを解釈しようという欲求を自然に抱く。
ほぼ反射的に教理は現れ、心の中で、まるで伴侶のように聖句と併存する。
一方が輝いて、他方が、その輝きの陰におかれて、存在が薄れたり、見えなくなったりするものではない。
両者の併存を銘記するために、聖句上位主義の語を選択しておいた方がいいように思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます