四本の福音書の特徴を端的に述べる。
それらはまず、最初の三本、①マルコ、②マタイ、③ルカと、
最後の一本である ④ヨハネとの二つに分けられる。
初めの三本は、取材して得た情報を主な材料にしてつくられている。
最後のヨハネは、すべて、自分のもつ情報だけをもとに書かれている。
~具体的に見よう。
<①「マルコの福音書」>
まず最初にできたのは、①「マルコの福音書」だ。
マルコは、イエスの弟子だったペテロからイエスの話を聞いた。
その記録を元にイエス伝記を書き下ろした。
ペテロは、ヨハネと共にイエスの両脇を固めた「助さん格さん」の一方だ。イエスのことをたくさん知っていた。
<②「マタイの福音書」
マルコの書を読んで、さらに取材情報を追加して作り上げたのが ②「マタイの福音書」だ、
このマタイをイエスの12弟子のなかのマタイだという人もいるが、その証拠はない。
三年半にわたるイエスの伝道旅行には、12弟子を取り囲んで70人がいたようだ。
マタイはその中の一人だったかもしれないが、その証拠もないのだ。
<③「ルカの福音書」>
マタイによる伝記を読んで、さらに取材を重ねてイエス伝記を作成した人がルカだ。
この伝記が ③「ルカの福音書」である。
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<④「ヨハネの福音書」>
最後の、四本目のイエス伝記が ④「ヨハネの福音書」である。
これは、前の三本の福音書とは、大きな違いを持っている。
前の三本は、基本的に、取材情報をもとに書かれている。
ヨハネは、取材を全くしないで、福音書を書いている。
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ヨハネは、ペテロと並んで、イエスの両脇を固める鞄持ち、「助さん各さん」の一人だった。
彼は、イエスの教え、行動を常時、直接的に見聞していた。
彼はその記憶だけを用いて、イエス伝を書いているのだ。
だから、彼の福音書には、取材情報の持つ「あやふやさ」は一切ふくまれていない。
(続きます)
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