Sightsong

自縄自縛日記

チェチェンの子どもたちのまなざしと怯え ザーラ・イマーエワ『子どもの物語にあらず』

2008-09-07 22:51:48 | 北アジア・中央アジア

科学映像館が、最近、ザーラ・イマーエワによる30分のドキュメンタリー映画『子どもの物語にあらず』(2001年)を配信している。(>> リンク

この、空爆などによるジェノサイドとも言うべきチェチェンの無差別虐殺を捉えた作品は、ロシアでは報道が厳しく制限されているという。被害者の子どもたちがカメラに向かって話す状況は、嘘でありようがないからだ。

子どもたちは、全部を見たんだよ、戦争とは人を殺したり爆弾を落したりすることだよ、と言う。運がよければ助かるし悪ければ死ぬんだよ、大人は子どもがきらいなのかな、と呟いてしまうまでに追い詰められた子どもの姿を見て、何も感じない者はいまい。そして、カメラに向かって答えつつ、私の声って大きくない?見つからないよね?と怯える姿もある。淡々と感情を出さずに答えていた子どもは、死ぬってどういうこと?と問われ、それはね・・・それはね・・・とことばを失う。

かたや、軍のミッションについてのみ語るプーチン首相や、コーカサスを叩き潰すと豪語する極右ジリノフスキーや、チェチェンの少女に暴行しながら心神喪失状態にあったということになったブダーノフ大佐の勇ましい姿などが挿入される。国境をはさんでグルジア側、ほど近くにある南オセチアを巡る状況や、新テロ特措法の延長を「世界がテロと戦う」と表現して訴える日本の政治状況など、地理的な場所は異なっていても、<ダイナミクス>にのみ目を向けて、<ひと>については一顧だにしないことは全てカーボンコピーのようだ。

チェチェンを描いた映画には、セルゲイ・ボドロフ『コーカサスの虜』や、最近のニキータ・ミハルコフ『12人の怒れる男』(>> リンク)があるが、このドキュは劇映画とはまた異なる力がある。子どものまなざしの力は、牛腸茂雄の写真と共通するものでもある。


れすとらん白龍のトマト湯麺を懐かしんで。

2008-09-07 19:02:30 | 関東

昔、西新宿に「れすとらん白龍」という中華料理屋があった。看板メニューが「トマト湯麺」で、かん水を使わない白い麺、鶏で取った出汁、そしてセロリとトマトと肉団子が上にのっていた。学生時代から好きで、まだ西新宿や都庁前の駅ができる前、新宿駅から歩いてよく食べに行った。

「白龍」は、2003年、再開発ということで店じまいしてしまった。その代わり、「白龍館」という店は近くに存続し、トマト湯麺もメニューには残っているようだ。しかし、半地下にあって、呼び鈴を鳴らさなければ開けてもらえない重たいドアがあって、ライヴを聴かせるという店に様変わりしたので、気軽に行く気がしなくなって、一度店の前まで足を運んだがUターンした。

そんなわけで、5年くらいトマト湯麺を食べていないので、ふと再現してみようと思い立って、きょうの夕食に作ってみた。

スープは水炊きの成功を活かして手羽先。これにセロリの葉で風味を付けた。野菜はセロリ、人参、ピーマン、椎茸。肉団子は鶏挽肉に玉葱、卵、片栗粉。麺は打とうかと思ったが面倒なので稲庭うどん(オリジナルもかん水なしのため、腰がなくて中華麺ではなかった)。塩で味付け。

自分と家族の感想。ちょっと出汁が足りない。水炊きはもっと手羽先ともも肉を使ったし、キャベツの甘みが出ていた。といいながら、食べているうちに旨くなってきた。次回はもっと旨くできるはずである。

●参考 旨い水炊き