執念深く埋立計画が進められそうになっている、沖縄市の泡瀬干潟。24wackyさんのクルマに乗って、はじめて訪れることができた(2010年8月)。
まずは、三番瀬や盤洲干潟など、東京湾の干潟との光景の違いに驚く。珊瑚礁のせいか、砂干潟とは言っても色が異なるし、その珊瑚礁が砂の上をごろごろしている。同じ沖縄でも、那覇の漫湖干潟や東村の慶佐次などマングローブが生育する汽水域とも様相が異なる。
まずは沖にどんどん歩いていき、ときどき息を潜めては生き物の存在に目を凝らす。カニも東京湾とずいぶん異なる。ゴーヤーのような甲羅をした奴はオウギガニの仲間か。毛むくじゃらのケブカガニは、糸満の大度海岸の潮だまりでも見た。
丸い穴が開いたカルデラ火山のおもちゃのようなものは、あまりの不思議さに驚いた。あとで木更津の本で調べたら、ツメタガイの卵塊(卵と砂とを粘液で塗り固めたもの)であり、砂茶碗と称する。貝がぐりぐり回りながら作っていくようで、実に奇妙。
それから、穴から透明な、あるいは透明に見える保護色の触手を長くヒロヒロと出している生き物が気になった。ゴカイ?ユムシ?まだよくわからない。
向こう側には第一期工事の縁が見える。何が「経済合理性」か、一瞬でも前原大臣に喝采を送った私は愚かだった。
泡瀬干潟 Pentax LX、FA77mmF1.8、Velvia100、DP
ゴーヤーのようなオウギガニの仲間 Pentax LX、FA77mmF1.8、Velvia100、DP
穴から外をうかがうケブカガニ Pentax LX、FA77mmF1.8、Velvia100、DP
ツメタガイの卵塊 Pentax LX、FA77mmF1.8、Velvia100、DP
ツメタガイの卵塊 Pentax LX、FA77mmF1.8、Velvia100、DP
ウミニナだらけ Pentax LX、FA77mmF1.8、Velvia100、DP
じろじろ凝視する Pentax LX、FA77mmF1.8、Velvia100、DP
フェンス Pentax LX、FA77mmF1.8、Velvia100、DP
●沖縄の干潟・湿地・岩礁
○泡瀬干潟の埋立に関する報道
○泡瀬干潟の埋め立てを止めさせるための署名
○泡瀬干潟における犯罪的な蛮行は続く 小屋敷琢己『<干潟の思想>という可能性』を読む
○またここでも公然の暴力が・・・泡瀬干潟が土で埋められる
○救え沖縄・泡瀬干潟とサンゴ礁の海 小橋川共男写真展
○漫湖干潟
○辺野古
○糸満のイノー、大度海岸
○沖縄県東村・慶佐次のヒルギ
●東京湾の干潟(三番瀬、盤洲干潟・小櫃川河口、新浜湖干潟、江戸川放水路)
○市川塩浜の三番瀬と『潮だまりの生物』
○日韓NGO湿地フォーラム
○三番瀬を巡る混沌と不安 『地域環境の再生と円卓会議』
○三番瀬の海苔
○三番瀬は新知事のもとどうなるか、塩浜の護岸はどうなるか
○三番瀬(5) 『海辺再生』
○猫実川河口
○三番瀬(4) 子どもと塩づくり
○三番瀬(3) 何だか不公平なブックレット
○三番瀬(2) 観察会
○三番瀬(1) 観察会
○『青べか物語』は面白い
○Elmar 90mmF4.0で撮る妙典公園
○江戸川放水路の泥干潟
○井出孫六・小中陽太郎・高史明・田原総一郎『変貌する風土』 かつての木更津を描いた貴重なルポ
○盤洲干潟 (千葉県木更津市)
○盤洲干潟の写真集 平野耕作『キサラヅ―共生限界:1998-2002』
○新浜湖干潟(行徳・野鳥保護区)
○谷津干潟
●その他
○加藤真『日本の渚』(良書!)
○『海辺の環境学』 海辺の人為(人の手を加えることについて)
○下村兼史『或日の干潟』(有明海や三番瀬の映像)
○『有明海の干潟漁』(有明海の驚異的な漁法)
○理系的にすっきり 本川達雄『サンゴとサンゴ礁のはなし』(良書!)