Sightsong

自縄自縛日記

ブレット・ラトナー『ラッシュアワー』の2と3

2011-11-21 08:00:07 | アート・映画

何となく気が向いて、ブレット・ラトナー『ラッシュアワー2』(2001年)、『ラッシュアワー3』(2007年)を立て続けに観る。堅物の香港人ジャッキー・チェンと軽薄な米国人クリス・タッカーとがコンビを組んだ捜査アクション物であり、如何に無関係な要素を詰め込み、話題性を持たせているか、という点のみが見所である。

『2』は香港とロサンゼルスが舞台。チャン・ツィイーのアクションに驚く。さすがにチャン・イーモウ『LOVERS』や馮小剛『女帝/エンペラー』で格好いいところを見せつけただけのことはある(ワイヤーだとはいえ)。

『3』の舞台はロサンゼルスとパリ。エッフェル塔でのクライマックスが怖い(高所恐怖症なのだ)。物語はさらに散漫でおかしな点がたくさんある。クリス・タッカーが、イラン人をテロリストだと決めつけて10人不当逮捕した咎で干されていたり、パリのタクシー運転手に「アメリカ人は嫌いだよ、ベトナムでもイラクでも無意味に人を殺しまくって」と罵られると逆上して銃を突きつけたり、と、米国の自虐ネタが笑える。ここでは真田広之と工藤夕貴がいい演技をみせるが、少しくらい日本人のチャームがあってもいいんじゃないか。中国では公開禁止になったとかならなかったとか、まあ、米、中、日、仏と皆ロクでもないステレオタイプのイメージを示しているのだから、どうこう言うほどのものでもない。

カリカチュア化されたフランス人として登場するのは、何とロマン・ポランスキー(!)である。本当はポーランド人なんだけど・・・。