『BRUTUS』(2011/12/1号)が、「LIFE is a MOVIE」と題した特集を組んでいる。この雑誌はたまにコンビニで見つけると欲しくなる。
監督ごとの映画のセレクションが何とも嬉しい。トイレの中でぱらぱらと開く。
ロバート・アルトマン『ロング・グッドバイ』。アルトマンはマーロウ役にエリオット・グールドが決定してやる気を出した。あの女性たちが一杯のマンション、猫ちゃん、夜のレイジーで濡れた雰囲気、たまらない気分とともに思い出す。また観たいぞ。
大島渚『愛のコリーダ』。「本番」を行うことにどの俳優も尻込みし、大島に依頼された若松孝二が藤竜也を新宿ゴールデン街で口説いたなんてはじめて聞いた話だ。数年前、妻の小山明子に介護される大島渚の姿をテレビで見て愕然としたのだったが、再びの復活はあるのだろうか。『御法度 GOHATTO』が不満な出来だったために、もう一度、集大成を撮ってほしいと切望するのだが。
スタンリー・キューブリック『アイズ・ワイド・シャット』。評判は決して良くなかったキューブリックの遺作だが、自分は公開時に狂喜した。これもパラノイア作品、まるで視たくないのに目を見開き続けなければならないような悪夢的なアウラが漂っていた。またこの怖ろしさを味わうには、映画館の闇の中で目を凝らさなければならないのだろう。
ジョニー・トー『ザ・ミッション 非情の掟』。撮影前、トーの頭には簡単なストーリーと「紙屑サッカー」などいくつかのシチュエーションがあっただけだという。トーはやはり天才だ。
●参照(BRUTUS)
○「仏像」(2009/4/15)
○「猫である。」(2009/3/15)
○「沖縄に連れてって」(2006/12/15号)