Sightsong

自縄自縛日記

カレル・ヴェレブニー『ZTRÁTA NALEZENÉHO SYNA』

2017-11-04 11:21:46 | アヴァンギャルド・ジャズ

カレル・ヴェレブニー『ZTRÁTA NALEZENÉHO SYNA』(Happy Trails Records、1966-67年)を聴く。

『Československý Jazz 1966』
Karel Velebný (vib, marimba, p, ts)
Jaromír Honzák (as)
Karel Krautgartner (as)
Evžen Jegorov (bcl)
Jaromír Honzák (bongos)
Karel Vejvoda (cello)
Jaromír Honzák (cl)
Karel Krautgartner (cl)
Jiří Mráz (b)
Milan Mader (ds)
Rudolf Dašek (g)
Jaromír Hnilička (harp)
Karel Růžička (p)
Karel Vejvoda (p)
Zdeněk Zíka (piccolo fl)
Jaromír Honzák (ss)
Evžen Jegorov (ts)
Milan Ulrich (ts)
Zdeněk Pulec (tb)
Jaromír Hnilička (tp)
Laco Déczi (tp)

『Poezie a jazz II』
Karel Velebný (vib, ts) 
Miroslav Krýsl (as, bcl)
Zdeněk Pulec (tb)
Rudolf Rokl (g)
Petr Marcol (b)
Milan Mader (ds) 
Jan Tříska (voice)

『Československý Jazz 1966』および『Poezie a jazz II』のB面とのカップリング盤である。リーダーのカレル・ヴェレブニー以外はまったく知らないメンバーだが、皆チェコのミュージシャンだろうか。

『Československý Jazz 1966』では、曲によってメンバー構成が変わり、必ずしも大編成ではない。ヴェルブニーはヴァイブだけでなく、マリンバ、ピアノ、テナーサックスも演奏する。これがなかなか悪くない(特にマリンバ)。不思議な匂いがありこれは東欧のものか。『Poezie a jazz II』はチェコの俳優ヤン・トリスカが朗読し、不穏できらびやかでもあるサウンドが絡まる。奇妙な演劇のようでも、また、祝祭のようでもあり、これは何だったのだろう。朗読の意味がわかれば良いのだが。

これまでカレル・ヴェレブニーの作品は、『SHQ』(ESP、1967年)を聴いただけだったのだが、同時期の吹き込みであるのに、今回のリイシュー盤は『SHQ』よりもずいぶん多彩で異なっている。聴いてみるものである。『SHQ』の4曲目ではエリック・ドルフィー的なフレーズ、5曲目ではチャーリー・パーカー的なフレーズも聴こえてきて、たしかにジャズは東欧に伝わっていたのだなとわかる。しかし、どこか奇妙な形で。

Karel Velebny (vib, ts, bcl)
Jiri Stivin (as, fl, recorder)
Karel Vejvoda (b)
Josef Vejvoda (ds)
Ludek Svabensky (p)

●カレル・ヴェレブニー
チェコ・ジャズ入門(2009年)

 


永武幹子+瀬尾高志+竹村一哲@高田馬場Gate One

2017-11-04 09:25:09 | アヴァンギャルド・ジャズ

高田馬場のGate Oneにて、永武幹子、瀬尾高志、竹村一哲というピアノトリオ(2017/11/3)。

Mikiko Nagatake 永武幹子 (p)
Takashi Seo 瀬尾高志 (b)
Ittetsu Takemura 竹村一哲 (ds)

スタンダードの「I'll Be Seeing You」で、いきなり曲そのものに憑依する永武さんにああヤバいと息を呑む。次の「La Pasionaria」(チャーリー・ヘイデン)では、最初は右手だけでピアノを長く響かせて、やがて左手とドラムスとベースが参入する。瀬尾さんのベースが前面に出てきて、ピアノがバッキングする展開もあった。「Reef」では主導するベースが強く張られた弦によって軋み、サウンドは哀しみから悦びへと変化していった。そして「Kneebus」(ミシャ・メンゲルベルク)においては、ミシャらしく、ダダイスティックに三者別々の動きを見せつつも愉悦のテーマへと収斂した。竹村さんのドラムスがドライヴしたのだが、突然破裂音を発したり、おもむろに我が道を疾走したりと、ハン・ベニンク的な要素がみえた。ファーストセットの最後は、アイリッシュを意識したという永武さんのオリジナル曲「Dancin' on O'Connell Bridge」。ドラムソロは、鼓膜がびりびりと震える音圧の強さがあり、また、シンバルの多層的な響きがあった。

セカンドセット。「Warm Valley」(デューク・エリントン)に続き、セロニアス・モンクの「Jackie-ing」をモチーフにした演奏。以前にはやはりモンクの「Moose the Mooche」を使っていたと記憶しているが、このようにサウンドのちゃぶ台をひっくり返すような遊びは聴いていて愉快。そして、本田竹広のじわじわくるブルース「Longing」、さらに、「Salaam Salaam」。永武さんは左手の低音で地響きを創りながらソロを取り、突然、リズムを変えてベースとドラムスとが加わって走り始める。強靭なベースがあり、間合いをはかってピアノとドラムスとがまた見事に参入した。竹村さんのドラムスはここでは構造的なものに聴こえた。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●永武幹子
酒井俊+永武幹子+柵木雄斗(律動画面)@神保町試聴室(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)
永武幹子+瀬尾高志+柵木雄斗@高田馬場Gate One(2017年)
MAGATAMA@本八幡cooljojo(2017年)
植松孝夫+永武幹子@北千住Birdland(JazzTokyo)(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)