Sightsong

自縄自縛日記

サイモン・ナバトフ+トム・レイニー『Steady Now』

2017-11-08 23:05:59 | アヴァンギャルド・ジャズ

サイモン・ナバトフ+トム・レイニー『Steady Now』(Leo Records、2005年)を聴く。

Simon Nabatov (p)
Tom Rainey (ds)

先日瀬尾高志さんがサイモン・ナバトフのプレイの幅広さを語っていて、ならばと1枚中古で見つけてきた次第。

なるほど幅広い。最初は散漫なフリージャズかと思いながら流していたのだが、スタイルもアプローチも躊躇なくどんどん変わっていく。まるでジャズピアノの歴史をひとりで体現しようとしたジャキ・バイアードである。思いもよらず耳が吸い付いてしまった。相方のトム・レイニーの叩き落とすようなドラムスも好調。

最後の曲はああ終わったとCDを出そうとしたら、しばらくの沈黙のあとまた弾きはじめて吃驚した。ヘンな人である。さっそく今度の新宿ピットインのライヴを予約した。どれだけの引き出しを淡々と開けてくるか楽しみである。

●トム・レイニー
トム・レイニー・トリオ@The Jazz Gallery(2017年)
イングリッド・ラブロック UBATUBA@Cornelia Street Cafe(2015年)
イングリッド・ラブロック『ubatuba』(2014年)
イングリッド・ラブロック+トム・レイニー『Buoyancy』(2014年)
イングリッド・ラブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
イングリッド・ラブロック(Anti-House)『Roulette of the Cradle』(2014年)
トム・レイニー『Hotel Grief』(2013年)
トム・レイニー『Obbligato』(2013年)
イングリッド・ラブロック(Anti-House)『Strong Place』(2012年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(2007、2012年)
イングリッド・ラブロック『Zurich Concert』(2011年)
ティム・バーン『Electric and Acoustic Hard Cell Live』(2004年)
ティム・バーン『The Sublime and. Science Fiction Live』(2003年)
ティム・バーン+マルク・デュクレ+トム・レイニー『Big Satan』(1996年)


ハーマン・ヤウ『Shock Wave』

2017-11-08 08:30:21 | 香港

ガルーダ航空の機内で、ハーマン・ヤウ『Shock Wave』(2017年)。

香港警察の爆弾処理班のエースがアンディ・ラウ。「酸いも甘いも噛み分けた」二枚目を使っただけのダメ映画である。

爆弾の処理が間に合わないと判断すると、仲間に警察の誇りを連呼させて爆死させたり、自らも香港のトンネルを守るために爆死したり。無意味に英雄的な映画はじつにイヤだ。一方、爆発に際しての株価の乱高下で儲けようとする商売人が出てくるところなどは新鮮でもあった。

調べてみるとこの監督は毎年作品を作っており、2017年などは本作を含めて4本を監督。しかしそれならば、ジョニー・トーのような大天才でなければクオリティを保てないのだろうというものだ。わたしはすっかりトーのスタイルに毒されてしまって、腕をピンと伸ばして銃を撃たないと不満に感じてしまうのだった。

●アンディ・ラウ
ジョニー・トー(19) 『名探偵ゴッド・アイ』(2013年)
リョン・ロックマン+サニー・ロック『Cold War / 寒戦』(2012年)
アンドリュー・ラウ『Look for a Star』(2009年)
張芸謀『LOVERS』(2004年)
ジョニー・トー(4) 『フルタイム・キラー』(2001年)
ジョニー・トー(17) 『暗戦/デッドエンド』(1999年)


廣木光一『Everything Shared』

2017-11-08 00:40:04 | アヴァンギャルド・ジャズ

廣木光一『Everything Shared』(Hiroki Music、2000年)を聴く。

Koichi Hiroki 廣木光一 (g, pianica, perc)
Kazuko Habu 羽生一子 (ds, perc, voice)
Nobumasa Tanaka 田中信正 (p)
Keisuke Torigue 鳥越啓介 (b)

ずいぶんとリラックスさせられるサウンドだが、廣木さんの美しくも丸く尖れたギターは何度聴いても刺激的で、ドキドキする。田中信正がその場で編み出すラインもいい。

たとえば「Gal」は、廣木さんと渋谷毅さんとの名作デュオ『So Quiet』をどうしても思い出してしまうのだが、そちらが音楽の滋味を深く感じさせてくれる演奏であったのに対し、本盤にはスピードと調和がある。

●廣木光一
安ヵ川大樹+廣木光一@本八幡Cooljojo(2016年)
吉野弘志+中牟礼貞則+廣木光一@本八幡Cooljojo(2016年)
廣木光一+渋谷毅@本八幡Cooljojo(2016年)
Cooljojo Open記念Live~HIT(廣木光一トリオ)(JazzTokyo)(2016年)
廣木光一(HIT)@本八幡cooljojo(2016年)
廣木光一『Tango Improvisado』(1995年)