Sightsong

自縄自縛日記

ハル・ハートリー『ブック・オブ・ライフ』

2014-09-14 22:21:49 | 北米

ハル・ハートリー『ブック・オブ・ライフ』(1998年)を観る。

20世紀末における『黙示録』の物語である。

イエスとマグダラのマリアが、ニューヨークに現われる。イエスのパソコンの中には、「The Book of Life」が入っており、7つの封印のうち4つまでが解かれている。5つ目の封印をほどくと、『黙示録』通り、殉教者の魂が現われる。イエスは、人を裁けと訴える殉教者に対しても、サタンに対しても、また他の関係者に対しても、さらに封印をほどくことを拒否する。それは、人間世界を滅ぼすことへの、かれの迷いによるものだった。

映像はデジタルヴィデオで撮られており、今観ると、iphoneの画像よりも低画質であり、それがまた新鮮(無理に言えば)。まあ、しょうもない物語ではあるのだが、イングマール・ベルイマン『第七の封印』の厳かさが冗談としか思えないことを考えると、このスピード感のあるポップな現代劇のほうが余程マシなのだった。

そんなわけで、映画に刺激されて思い出し、岡田温司『黙示録』(岩波新書)を読み始めた。このような直接的な映画だけでなく、『黙示録』が与えた影響は非常に広範囲に及んでいそうだ。

●参照
ハル・ハートリー『シンプルメン』、『はなしかわって』


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