ニューヨークのブルックリンでは週末ごとに蚤の市が開かれている。曜日によっていくつかあるようで、先日、ウィリアムスバーグでの市に行ってきた。
会場には奇妙なものも楽しいものもあったのだが、足が止まったのはDVD屋。明らかに正規盤でないジャズの映像とか、バービー人形を使ったカーペンターズの映画『Superstar』(汚いVHSしか持っていないし、買えばよかった)とか、いろいろあった。その中に、アンディ・ウォーホルのDVDを2枚見つけて入手。すべて一律15ドルだった。
記念写真を撮っていると、店のオヤジがわざわざヘンな顔(笑)
■ 『Empire』(1964年)
もっとも有名なウォーホルの映画だろう。オリジナルは8時間5分もあるが、これは1時間の短縮版。とは言っても本質的には一緒であり、無音で、エンパイア・ステートビルの上部をずっと撮影しているだけの映像である。ウォーホルと、ジョナス・メカスが撮影したらしい。
じっと凝視していても寝落ちするだけなので、さっき、トニー・マラビーの音楽を聴きながら(現在のニューヨークなのでいいだろう)、1時間の苦行に耐えた。あほらしい、とか言ってまた観てしまったりして。
■ 『Mario Banana』(1964年)
3分ほどの2種類の映像があり、モノクロ版とカラー版。女装したマリオ・モンテスが、カメラに妖しい視線をよこしながら、バナナを舐めたり食ったりするだけの映像である。あほらしいとかエロいとかいう以前にヤバい。どうでもいい。
■ 『Vinyl』(1965年)
『時計じかけのオレンジ』をゆるく原作とした1時間映画。これにはセリフが入っているが、あえて棒読みにしたようで、どうでもいいことばかり叫んでいる。
主人公(?)のジェラルド・マランガは、突然、仲間うちから拷問を受ける。当時のファッション・アイコンであったイーディ・セジウィックは、横でぼんやりして、タバコを吸ったり、踊ったり。別に残酷なものでもないのだが、まあ、これもどうでもいいね。
撮影された「ファクトリー」は、いまでは公園になっている。ジョナス・メカスにも、跡地を訪ねて懐かしがる『ファクトリーの時代』という作品があった。