Sightsong

自縄自縛日記

明田川荘之『ライヴ・イン・函館「あうん堂ホール」』

2015-06-20 23:14:19 | アヴァンギャルド・ジャズ

明田川荘之『ライヴ・イン・函館「あうん堂ホール」』(Aketa's Disk、2013年)を聴く。

明田川荘之 (p, ocarina)
大矢内愛史 (ss)

名前からして大矢内さんは女性サックス奏者と思いきや、実は函館を拠点に活動する大ヴェテランの男性サックス奏者であり、国立音大では松風鉱一さんの先輩にあたるという。おそるべし函館、このような凄い人がいる。何しろソロのとき以外も背後でともかくもサックスに息を吹き込んでいる音がするし、時折は鳴らし始めている。そんなわけなので、ソロともなると溜まった力を注ぎまくる感覚である。少しかすれた音色と幅広い音域が良い。もっと聴きたい。

それにしても、なぜ天才・アケタの音は、いつもこんなにもしみじみと物悲しいのか。オカリナも、その寂しさに胸をしめつけられそうである(もっとも、昔ご本人がアケタの店・深夜の部のあとに語っていたところによれば、オカリナが飽きずに聴けるのは「37分」が限界だそうだが)。

「My Favorite Things」も、「I Should Care」も、いやたまらないね。「African Dream」は、アブドゥーラ・イブラヒム風に始まりつつ、やがてアケタ色になっていく。確か、アケタ氏の著書『ああ良心様、ポン!』によると、マックス・ローチ来日時にセッションした曲は「I Should Care」だった。録音は残っていないのだろうか。

●参照
中央線ジャズ


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