東京国立博物館の特別展「琉球」。
やはりアジアとの関係に焦点が当てられている。18世紀の清国の官僚・徐葆光は冊封使として琉球王国に赴いた人で(本郷義明『徐葆光が見た琉球』という数年前のドキュメンタリー映画はおもしろかった)、かれの書が展示されている。「為」や「芳」なんかの字はふわっと丸くバランスが取れていて、また上品でユーモラスなものもあったりして、すごく知的で大きな人だったんだろうなと思わせられる。
驚いたのはノロのトップにいた聞得大君の金の簪。大きくて、蛇の模様が彫られている(コレ付けたら動けないだろう!)。国王からの任命状も展示されていて、ノロは国家権力の一部だったのだなと再認識。久高島や斎場御嶽は民間信仰のパワースポットのように語られるし、それには祭のイザイホーや吉本隆明が『共同幻想論』で語ったことなども影響しているのかもしれないのだけれど、これはあくまで「正史」に過ぎないのだということ。
御玉貫(うたまぬち)の現物ははじめて見た。ガラス玉がぎっしりと瓶の表面を覆っていて、長い時が経ってもすごく鮮やか。