トム・レイニー『Obbligato』(Intakt、2013年)を聴く。
Ralph Alessi (tp)
Ingrid Laubrock (sax)
Kris Davis (p)
Drew Gress (b)
Tom Rainey (ds)
しばしばイングリッド・ラウブロックやクリス・デイヴィスのバンドのドラマーを務めるトム・レイニーが、彼女たちをメンバーに迎えたリーダー作。この盤は、意外にも、Just in Time、In Your Own Sweet Way、Reflections、Secret Love、Prelude to a Kiss、Yesterdays、If I Should Lose You、You Don't Know What Love Is、といったジャズ・スタンダード集である。
各人の見せ場を作った編曲と、その中での即興は確かに愉快で、最初はその曲と気付かないものもある。賑々しくはじまる「Just in Time」なんて、なかなか。はしゃぐ感覚のレイニーのドラムスも、全体を流麗に装飾しまくるクリス・デイヴィスもいい。ラウブロックのサックスは、高速道路での安定感のあるドライヴのようで、これもまたいい。
ただ、何もスタンダードでなくても・・・。
●参照
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』
イングリッド・ラウブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone
イングリッド・ラウブロック『Zurich Concert』
イングリッド・ラウブロック(Anti-House)『Strong Place』