Sightsong

自縄自縛日記

『男たちの挽歌』3部作

2013-09-24 00:09:39 | 香港

何をいまさら、『男たちの挽歌』の3部作をまとめて観る。シリーズの原題は『英雄本色/A Better Tomorrow』。邦題は同じでも、4作目からは全く無関係の作品のようである。

■ ジョン・ウー『男たちの挽歌』(1986年)

偽札作りの組織に属するマーク(チョウ・ユンファ)とホー(ティ・ロン)。ホーの弟キット(レスリー・チャン)が刑事になったのを機に、ホーは足を洗おうとする。しかしそれは思うようにいかず、キットは出世できない。そして、組織の後輩の裏切りにより、マークは命を落とし、ホーは敢えてキットに逮捕される。

■ ジョン・ウー『男たちの挽歌 II』(1987年)

服役するホーは、警察から偽札作りの組織摘発に協力するよう要求され、弟のためにと一肌脱ぐ。ホーの前に現れたのは、マークの双子の兄弟ケン。またも裏切りに次ぐ裏切りに、脈絡のなさすぎる物語。今度はキットが命を落とす。

出鱈目な話も、続編にありがちな緊張感のなさも置いておくとしても、とにかくカッコいい場面ばかりを詰め込んだアクションは凄まじい。端正な音楽を混ぜてのコントラストは、さすがのジョン・ウーの個性。前作を上回る傑作。

■ ツイ・ハーク『アゲイン/明日への誓い 男たちの挽歌 III』(1989年)

前2作は製作を担当していたツイ・ハークが、本作では監督。第1作の前、1974年の陥落直前のサイゴンが舞台であり、マークがまた登場する。相方はレオン・カーフェイ、敵役が時任三郎。もう何がなんだかわからず、無理やり感動のクライマックスを押し付けられる。

ところで、サイゴンから香港に脱出する薬屋のお爺さん役、ぜったいにあいつだろうと思っていたが、やはりそうだった。『燃えよドラゴン』において、最後に熊の爪なんかを使ってブルース・リーと闘い、挙句の果てに鏡の間で絶命するハンである。突然いい人ぶって何、という気持ちをぬぐい去ることができない。

そんなわけで、特に第2作にジョニー・トーにつながる香港ノワールの形を見出すことができるのは嬉しかった。チョウ・ユンファはどの作品でも馬鹿丸出しで、まったく魅力的でないのだが。

●参照
ジョン・ウー『レッドクリフ』
ジョン・ウー『ミッション:インポッシブル2』


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。