竹芝のGallery 916で、川内倫子の写真展『The rain of blessing』を観る。
この写真展は4つのシリーズで構成されている。そのいずれも水や空気といった相との接触点に近づこうとしているように見える。
実際に被写界深度はとても狭く、ときにハイキーな露出も相まって、世界における相とのかかわりが非常に瑞々しく迫ってくる。何度見てもさらりとした鮮やかさ、これが川内倫子写真である。倉庫スペースを贅沢に利用した展示も効果的。
ギャラリーの一室では映像も上映している。田畑に群がる鳥や、鉄の溶湯を花火のように壁に投げつける様子が収められている。後者は何だろうと思っていたのだが、パンフに解説があった。河北省の「打樹花」という祝祭であるらしい。