Sightsong

自縄自縛日記

牛腸茂雄展@渋谷PARCO

2022-10-30 11:28:10 | 写真
はじめて牛腸の写真に接したのは21世紀になるかならないかのころ、書店で『幼年の時間』を目にしたとき。誰もがこちらをじっと見つめていて、その場で降参した。この特異さは、写真家のまなざしが純真だからということではなく、幼少期から早い死を運命づけられていたために、他者を視ることがつねに瀬戸際の行いだったからだろうと思える。
今回の渋谷PARCOでの展示はヴィンテージではなく三浦和人による新たなプリントで、ガラスもない。そのために視線の特異さがさらに強調されているようで、ちょっと動悸がする。新たに編まれた作品集は黒が締まっていて、かつての『SELF AND OTHERS』の眠い印刷よりもはるかに素晴らしい出来(高いので買うのを躊躇している)。牛腸が使ったミノルタオートコードやキヤノンAE-1も展示されていて、なかなか見ごたえがあった。
 
 

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