表題作ほか4編を収録した作品集。読むきっかけは、何となく。
「ときめきに死す」…タイトル作はミステリーっぽいがそうではなく、人生いかに生きるか、を読者に問うているように感じた。50絡みの主人公の男は「一年発起」して会社を辞めるが他に何を成し得るでもなく、妻子には愛想を付かされ、(それまではそこそこの地位に居てそれなりの収入も得ていたのに)自分の無力さを嘆く。うーん、一歩間違えた自分を見ているようだ…そこへ現れた昔の友人、以降の展開は興味深くはあるものの、そこに至る主人公の境遇が妙に他人事でないため、言い方は悪いが「他はどうでも良い」感じになってしまった。
「雪折れ」「口笛吹いて」「アルペン・ツーリング」と短編が続く。最後の作は分別あるはずの男二人が、時折日頃のストレスを発散させるかの如く危険なほどのスピードでバイクをかっ飛ばす。周囲の非難の視線もお構いなし、一歩間違えばクラッシュのスリルに刹那的な悦びを見出すほどつまらない日常なのか。バイクをストレス発散の道具にして暴走してはいけません。
現在、70歳を越えていまだ新作を発表し続ける著者の、最近の作品を読んでみたらどんな感想を抱くかな。
2014年8月12日 自宅にて読了
「ときめきに死す」…タイトル作はミステリーっぽいがそうではなく、人生いかに生きるか、を読者に問うているように感じた。50絡みの主人公の男は「一年発起」して会社を辞めるが他に何を成し得るでもなく、妻子には愛想を付かされ、(それまではそこそこの地位に居てそれなりの収入も得ていたのに)自分の無力さを嘆く。うーん、一歩間違えた自分を見ているようだ…そこへ現れた昔の友人、以降の展開は興味深くはあるものの、そこに至る主人公の境遇が妙に他人事でないため、言い方は悪いが「他はどうでも良い」感じになってしまった。
「雪折れ」「口笛吹いて」「アルペン・ツーリング」と短編が続く。最後の作は分別あるはずの男二人が、時折日頃のストレスを発散させるかの如く危険なほどのスピードでバイクをかっ飛ばす。周囲の非難の視線もお構いなし、一歩間違えばクラッシュのスリルに刹那的な悦びを見出すほどつまらない日常なのか。バイクをストレス発散の道具にして暴走してはいけません。
現在、70歳を越えていまだ新作を発表し続ける著者の、最近の作品を読んでみたらどんな感想を抱くかな。
2014年8月12日 自宅にて読了