何とも凄まじい内容が、厚めの単行本、しかもさほど大きくない活字の二段組でびっしり。時おり、著者が描いた戦闘状況図や戦場の絵などが挟まれているが、気が滅入って本を閉じたくなるのを堪え、厭でも無理にでも読んでおかなければという義務感で何とか読み終えた。
熊本県で応召された著者は中国戦線に送られ、行軍の目的も行先もロクに知らされぬまま、古兵のイビリやいじめを受けつつ30kgもの武器食糧を背負って行軍してゆく。戦友や上官が死傷し、兵站のない行軍で現地の農家から「挑発」と言う略奪行為、一部の兵は現地の女性を慰み物にする。そうした状況で著者は戦争の虚しさ、「皇軍」のおぞましさを率直に吐露している。幸いにも著者自身が中国の兵士や農民を死傷させる場面はなかったようだが、それはたまたまのことと著者も解っているだろう。
こういう書を読むと、国家間の謝罪や賠償はさておき、蹂躙された人々が今でも小日本とか日本鬼子とか事あるごとに口にする~被害を受けた人々から子孫へ言い伝えている~のも無理からぬ気はする。
2018年2月12日 自宅にて読了
熊本県で応召された著者は中国戦線に送られ、行軍の目的も行先もロクに知らされぬまま、古兵のイビリやいじめを受けつつ30kgもの武器食糧を背負って行軍してゆく。戦友や上官が死傷し、兵站のない行軍で現地の農家から「挑発」と言う略奪行為、一部の兵は現地の女性を慰み物にする。そうした状況で著者は戦争の虚しさ、「皇軍」のおぞましさを率直に吐露している。幸いにも著者自身が中国の兵士や農民を死傷させる場面はなかったようだが、それはたまたまのことと著者も解っているだろう。
こういう書を読むと、国家間の謝罪や賠償はさておき、蹂躙された人々が今でも小日本とか日本鬼子とか事あるごとに口にする~被害を受けた人々から子孫へ言い伝えている~のも無理からぬ気はする。
2018年2月12日 自宅にて読了