森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヌスビトハギ(マメ科)

2006年09月04日 | 自然観察日記
 ちょっとミズヒキと間違われることもあるのだが、これはマメ科の植物。山野に普通にある。花後、豆の入った鞘が茎の左右に互い違いに並んで付く姿が盗人の「抜き足差し足」の足跡を連想することから「盗人萩」となったとされるが、命名者の想像力には感服する。
 この鞘果は鍵状の毛が多数形成され衣服などに付着しやすい。植物にとっての移動手段の一つである。草丈が1m位にもなるからこれに見合った動物に種子を運んでもらおうとしているのだろうが、人以外にクマ・カモシカくらいではないだろうか。もう少し小型のタヌキやノウサギも対象になるのかもしれない。そう考えると近年は最も「運び屋」としての貢献は人の可能性が高い。

スピードリオン(ゴマノハグサ科)

2006年09月04日 | 自然観察日記
 この花は私が物心付く前から庭にあって、ずっと正体のわからないものであった。毎年夏から秋に咲き庭の片隅を彩っていた。積極的な株分けもしないのでほとんど同じところで咲いている。
 和名をスピードリオンといい北米原産の植物であると判ったのは比較的最近である。他の方のお庭にもあまり見かけない花で、市販されているものも見たことが無い。可愛いピンクの花だがどことなく垢抜けしない感じが古くから移入されているにも拘らず理由かもしれない。
 一般にゴマノハグサ科の花は形がユニークなものが多いが、このスピードリヨンも個性的だ。そのうち個性的な感じを評価されて見直されるときが来るかもしれない。