森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

キンエノコロ(イネ科)

2006年09月18日 | 自然観察日記
 道端に普通に生えている小さいエノコログサ。穂の「のげ」が黄色に見えることからこの名がある。アキノエノコログサのように穂が垂れるようなことはない。
 変哲のないエノコログサかも知れないが、視線をぐっと近づけて群がる穂の中に持ってくると不思議な世界に入り込める。ごく普通の秋の風景の中に潜む不思議。自然を楽しむ一つの方法である。
 一年草で日当たりのいい場所に生えるから、木々が茂るともう生きてはいれなくなる。

ムラサキアブラシメジモドキ(フウセンタケ科)

2006年09月18日 | 自然観察日記
 長い名前だ。名前の感じはもの珍しそうだが、私が出かける山には普通に見かける。どちらかというと海岸よりというより山地性の傾向がありそうだ。
 ブナが混じるような雑木林に、ルリ色の宝石のように光っていて美しい。幼菌の丸い傘ならなおさらそう思うことだろう。表面に強い粘性を帯びるから光が強く反射するのだ。比較的小さな菌だが、1本見つけると多くの場合菌糸の広がり(しろ)が数m範囲で広がっているから、落ち葉や草の茂みに隠れたものを見つけることが出来るだろう。ぬめりと歯ざわりで私は美味しいキノコだと思っている。

実りの秋 その1

2006年09月18日 | 自然観察日記
 この時期の山歩きは忙しい。植物の観察・撮影、渓流釣りにキノコ狩り・・。新潟県中越地震以来林道の破損で訪れることが出来なかった縄張りの一つにマーキングしに入った。この林道使えるようになったのは夏ごろからだったのだろうか。もうかなり釣り人が入った形跡がある。小さな魚影を見かけたが感触を手にすることが出来なかった。
 しかし、楽しみ方はいくらでもあるから「ぼうず」はちっとも気にならない。沢沿いの小道を歩けばキノコが顔を覗かせている。この日の収穫はムラサキアブラシメジモドキとナラタケ(黄色)。夕餉の一品になったことはいうまでもない。

http://www.plum1.com/