森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

アワタケ(イグチ科)

2006年09月14日 | 自然観察日記
 夏から秋にかけて雑木林、特に松が混じる林がいいのだが点々とあるいは列をなしてアワタケが生えている。似たものにアミタケというのがあるが、傘(裏の管孔)が青変するかしないかで区別するとわかりやすい。いずれも食用で、少し頼りない食感だが汁物にするとぬらめきがあって気に入る人もいるかもしれない。
 いずれにせよキノコ狩りが楽しめる時期が近づいてきた。多少キノコのことも知っているから、私を同行させて実りの秋を散策しようと企んでいる輩からのお声がかりがある。それもまた楽しからずやである。
 イグチの仲間は傘の裏が網目状になっていて、シイタケなどのひだ状のキノコよりも進んだ形のキノコと考えられている。

ツルリンドウ(リンドウ科)

2006年09月14日 | 自然観察日記
 秋はリンドウの季節。高山ではもう終わりに近い種類もあるけれど、里山のリンドウはこれからだ。一足早くツルリンドウの花を見つけた。木陰の草薮に小さな愛らしい花がいくつかぶら下がって咲いていた。野草の花はどれも素敵なものばかりだが、その中にあって花の少ない時期だからなおさら印象深いのであろうが、ツルリンドウの花の薄紫色は強く心を打つ。
 それにもまして、ツルリンドウの実が素敵だ。秋遅く真っ赤なりんごのような実を付ける。林の木々の葉が落ち周りの草も枯れ始める頃の真紅の彩りの景色は私は大好きだ。リンドウの仲間でツルリンドウのような実(液果)をつけるのは他に無い。