森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ホツツジ(ツツジ科)

2006年09月05日 | 自然観察日記
 夏から初秋のツツジである。とはいってもツツジらしくないツツジである。日本の固有種で比較的日陰を好む。反り返った花弁を持つ花が穂状に付くことからこの名がある。越後の山にはごく普通に見られる可愛い花である。白色の花弁だが先がほんのり紅をさすものもある。有毒植物とされるから、花をつまんで蜜など吸うことはしないほうがいいだろう。
 秋の紅葉がいい。私はまだ見たことが無いが、大きな群落があればきっといい景色になるであろう。

ヒメカバイロタケ(キシメジ科)

2006年09月05日 | 自然観察日記
 秋、そろそろキノコの方にも関心を示していこう。キノコを取り上げると、「食べられるか食べれないか」「毒キノコかどうか」が真っ先にくる問いで、ある意味キノコにとっては可愛そうな話である。
 ヒメカバイロタケが松の倒木に付いていた。みごとな株である。夏から秋に松林に普通に見られるキノコだがこれほどの株も珍しい。食用のキノコではないが、この造詣の美しさを感ずる。
 松の樹が朽ちる過程でこのキノコの働きは大きい。生きとし生けるもの死後の整理をこういう生き物でやってもらっている。朽ち行く松の木に華やいだ彩を添えてくれるヒメカバイロタケもいいものだ。