森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヤマボウシ(ミズキ科)

2006年09月09日 | 自然観察日記
 ヤマボウシの実が色づきだした。6月の十字の白い花の時期から約3ケ月、ヒヨドリの嬉しそうな鳴き声が聞こえてくる。
 街路樹などに利用されているからすっかりなじみのものであるけれど、まだこの実を口にする人は多くないのだろうか。昔は山の子供のおやつであったという。
 昨年ある小学校の3・4年生20人ほど連れて雪国植物園を散策したことがある。ここにも沢山移植されているから、訪れたときは赤い実が鈴なりで子供たちに体験させるのに好都合であった。ほとんどの全員が初体験で実の甘さに感激していた。むやみやたらと野にあるものを口にするのは考えものかもしれないが、味わうことも自然観察の大事な手法である。

カバイロツルタケ(テングタケ科)

2006年09月09日 | 自然観察日記
 雑木林に点々と生えている。食用きのこだが毒タケの多いテングタケ科の仲間。傘の周りの縦線を線条というが、これがはっきりしているから、色具合と根元のつぼとともにおさえれば紛らわしいキノコはない。
 ときたま集団で生えることもあるがほとんど点在する性質がある。地下に広がる菌糸が作り出す栄養との関係があるのだろうか。よほど肥えた環境でないと「群れ」ることができず、いわゆる「縄張り」をつくるようなものかと推測している。