森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

チドリノノキ(カエデ科)

2006年09月08日 | 自然観察日記
 カエデの仲間だというのは実を見て判断できるが、葉ではなかなか難しいだろう。切れ込みの無い単葉である。ヒトツバカエデという種も切れ込みを持たない単葉で似たようなものだが、葉が丸くチドリノキの細長い葉とは明らかに違う。実はカエデ科特有のプロペラに似た形状で、はじけて落ちるとき回転運動をする。これは少しでも親株から遠くに種子を運ぶ工夫とされるが、ほとんど真下に落ちているから今のところむなしい挑戦に終わっていると見ていいかもしれない。
 チドリノキは越後にも分布しているとされるが、残念ながら自然の中では見ていない。私の庭ではチドリノキとヒトツバカエデいずれも大きく育ってきた。秋に黄色に色づく種である。

オオカメノキ(スイカズラ科)の実

2006年09月08日 | 自然観察日記
 春に大きな白い花の塊であったオオカメノキ、今では赤い目立つ実をたくさんつけている。頃は実りの秋、花が減った分バラエティのある実を観察していきたい。オオカメノキは山野にあっては比較的早く色づくほうである。十月くらいまで実を見ることはあるが、早めに小鳥の餌としてついばまれているようだ。
 対生する丸い大型の葉が特徴で、別名「ムシカリ」といわれるが、その割りに虫に食われた葉を目にすることが少ない、・・というより気が付かないのだろうか。果実酒の材料として利用する向きもある。