森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

マツブサ

2013年12月06日 | 自然観察日記
県内の主に山地に点在する雌雄異株の蔓性の種です。分布を見ると県北や阿賀野川沿いに偏っているように見えます。南部は糸魚川近辺には多く報告されていますが概して空白域が目立ちます。そういう点では八石山の分布確認は空白域を埋めるものになります。
それはそうと中越地域では珍しい種ですからちょっと感激です。実もしっかりできています。かなり大きな株のようで周りの高木に巻き付いて生育していました。私は中越地域ではこの他に鋸山の山頂でも確認しています。信濃川を挟んで東西の同じような海抜の稜線上にあることになります。偶然かもしれませんが谷沿いに根付くより尾根上に適応しているのかもしれません。

マツブサ 実

2013年12月06日 | 自然観察日記
まるでブドウの房のような実です。あいにく食べてもおいしくありません。同じ科のサネカズラのように赤い色をしていればきっともっと注目され栽培されるようになっていたでしょうが、この地味な色合いでは目立ちません。おかげでひっそりと自然のままに生きてきたのではないでしょうか。たまには鳥などがついばみ種子を運んだために点々分布するようになっている・・・と考えています。