関東以西にツクバネウツギという低木がカシ帯・ブナ帯などの林床に一般的に自生しているといいます。残念ながら私はツクバネウツギが自生する山域に行っていないのか、気づいていないのか・・。ツクバネウツギは公園などの植栽されたものでしか見たことがありません。私の住む越後ではウゴツクバネウツギという種は比較的容易に見られます。花は薄い黄色でやや大型の花を咲かせツクバネウツギの白い花とは一線を画します。ここ福島の中通りの山間には赤い花のツクバネウツギが見られました。ベニバナノツクバネウツギというそうで幾分花は小柄で花色は違うもののがくや葉などの特徴は私が見慣れているウゴツクバネウツギに似ています。動き回った範囲はごく狭いために、ツクバネウツギがあるのかどうかは分かりませんが、見かけたものはすべて赤い花。基本種がツクバネウツギとすると、より北には(あるいは標高が高い場所)アカバナノツクバネウツギが、日本海側の多雪地にはウゴツクバネウツギが進化適応してきたと考えるとそれなりの説得力があります。
がくの「つくばね」はこのグループの大きな特徴です。綺麗な色をしていますから改良しないでこのままでも十分観賞用にもなりそうです。花管の下部に見られ濃黄色の文様もツクバネウツギですね。川沿いの道路わきの藪にごく普通に自生していました。
花が散ってしまった株です。散るといっても花弁は未練がましく付着しているものが多く、潔さがないようです。花吹雪というような光景にはならないサクラです。日本では北海道などの寒地から九州の山地にかけて生育するとありますが、新潟など多雪地にはないようなので湿った雪は苦手な種のようですね。こういうサクラがあることを実物を観察して理解しました。自然は面白い!