森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

タチガシワ

2013年12月13日 | 自然観察日記
地元越後を離れての観察会やらガイドを行うときの問題は見知らぬ花に出会った時のことです。○○の仲間と判断できるならその場をつくろうことも容易なことですが、どう頭の中の辞書をひっくり返しても出てこないものというのがあってもうお手上げ状態。素直に「分かりませ~ん!」と言うしかないですね。しかし、こういう出会いが何とも楽しくワクワク感を覚えます。
タチガシワ。ガガイモ科の種で実物を見るのも初めて図鑑での学習も皆無。ガガイモ科とさえ気づかない有様で同行者には気づかれないように、つばを飲み込みしばし立ちすくみました。幸いかどうか分かりませんが、クマガイソウの大群落の近くで多くはそちらの方に気を取られている状態で、杉林の散策道の片隅にひっそり咲いている地味なタチガシワに気づく人はいません。

タチガシワ 花

2013年12月13日 | 自然観察日記
花をよくよく観察すればガガイモ科の仲間ということは納得できます。越後で見るガガイモ科の種とは全体的な雰囲気が違いますから普段見慣れていないと分からない・・・。タチガシワの意味は調べてみるとツルガシワのように蔓状にならない種とありますが、ツルガシワも私は知りません。察するに、アカメガシワ(トウダイグサ科)の葉に似ているので「カシワ」はここから来たのではないのかなと勝手に解釈しています。少なくともブナ科のカシワではないようです。
福島県には広く分布しているようですが新潟県内では知られていないと思います。県内ばかりでなく、他県にも足を運んで自然観察を行うと楽しいことが沢山あることはわかっています。新しいものに出会うときはとてもワクワクし興奮してしまいます。しかし、それに嵌ると身動きが取れなくなることも見えていますからほどほどにして、自分がこなせる範囲にしていこうと考えています。