森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

マツバウンラン

2013年12月26日 | 自然観察日記
クマガイソウ観察の帰りに立ち寄った駐車場の芝地に生えていたものです。近づいて見ればなかなか可愛い花なのですが、とても小さく茎も葉も線状で数m離れてしまうとすぐに周囲に溶け込んでしまいます。かなりまとまった規模で生育していないと遠くからは分かりませんね。
ところで、マツバウンランは昨年里山交流館(えちごにあん)が開館した折り、その周辺の芝地でかなりの個体数を確認したのですが、なぜか今年はまるで姿が見えないのです。工事に伴って移入してきた種であろうと考え、毎年ここに発生するはずと踏んでいましたが皆無です。北アメリカ原産の帰化植物。また発生するのかなと期待しつつも、繁茂しすぎると厄介な存在になる?と心穏やかではなかったのですが、少々気が抜けていたところでした。この駐車場で花を見つけなんとなく愛おしさが湧いてきました。帰化植物と言えど場所によっては簡単に根付かないようですね。

ヒイラギの葉 2形

2013年12月26日 | 自然観察日記
植物はいつも同じ形をしているわけではありません。マルバアオダモといっても丸く無い葉を持っている個体はたくさんあります(もちろん丸みをもった個体も多くあります)。名前と実態がかけ離れているケースが普通にあるということを常に念頭に置かないといけません。その変異がまた面白く不可思議な点で自然観察は飽きない要因ですね。
それはそうと、このヒイラギも紛らわしい顔を持っている種です。若い頃、東京の高尾山の観察会に行った経験がります。ここで、ヒイラギの鋸歯の無い個体を教えられいたく感激した思い出があります。「若い個体は棘があるが、年をとると丸くなる」。まるで人の生きざまを教えられた気分でした。高村光太郎の「智恵子抄」の智恵子の生家の庭にあったヒイラギです。棘のある葉とない葉が混在しています。