ハイイヌガヤとチャボガヤは越後の里山には普通にあって見た目だけではわからないとても紛らわしい存在なのです。たまたま両種が肩を並べて生えているところがあって、個別にみていると理解しにくいものを比較するとすんなりと理解できるもの。葉だけでも簡単に判断できるようになります。
ハイイヌガヤはイヌガヤ科に分類される常緑の低木です。イヌガヤの多雪地帯に適応した種として考えられています。花がない季節ですから葉だけでの判断になります。光沢はなく比較的柔らかく触っても痛くないのが何よりも重要な特徴になります。
チャボガヤはイチイ科に分類される常緑の低木。葉はハイイヌガヤによく似ています。しかし、光沢が強く触ると「痛い」と思わず叫んでしまいます。先端が鋭く尖っているのです。カヤの多雪地に適応した種と考えられ雪に押されるために地を這う低木状態。本カヤは高木になります。ハイイヌガヤもチャボガヤも地に伏したような形態になりますが、このように種が異なるのに同じ環境に生育すると形態が似たようになる生活形は相似器官という概念で語られます。