MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ラブリーボーン』 100点

2010-02-07 23:02:16 | goo映画レビュー

ラブリーボーン

2009年/アメリカ=イギリス=ニュージーランド

ネタバレ

‘肩透かし’の訳

総合★★★★★ 100

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 昨日発表された内閣府の世論調査によると死刑を容認する回答が85.6%と過去最高に上ったそうである。もちろんここで死刑制度の是非など論じるつもりはないのであるが、明らかにこの結果はピーター・ジャクソンが監督した『ラブリーボーン』にとっては逆風となっている。
 ここで描かれているような幼い子供たちを狙った猟奇的殺人事件を見てしまうと、私たちはどうしても犯人に対して憎悪を持ってしまい、極刑をもって償わせる誘惑に駆られてしまうことは避けられない。しかしピーター・ジャクソンの演出はそのような私たちの犯人に対する憎悪を解消する方向にはなびかない。例えばスージー・サーモンの良き理解者であった彼女の祖母のリンがスージーが行方不明になった後に、落ち込んでいる家族たちの家にやって来るのだが、私たちが期待するほど家族に貢献することはなく、むしろ邪魔をしているような感じさえ抱いてしまう。スージーの父親のジャックが隣人のジョージ・ハーヴィを怪しく思い、夜中に彼の後を追っていくのであるが、何故かジャック自身が痴漢に間違われて重症を負ってしまう。スージーの妹のリンジーによってスージー殺害の証拠を掴まれたハーヴィはスージーの死体が入った金庫を車に乗せて捨てに行く。おそらくルースは金庫の中身が分かっているはずなのだが、結局金庫はそのままゴミ捨て場の底に沈んでいってしまう。せめてハーヴィは捕まって欲しいという観客の願いは氷柱の落下が原因による崖からの転落死という呆気なさで終わってしまう。
 このようにこの作品は観客の期待をことごとく裏切って展開していくために、評判が芳しくないのだが、この作品は復讐劇ではなく愛しい人を失った後の家族が立ち直るまでの過程が描かれている。愛しい人を失えば、家族の気持ちは不安定になり犯人を憎み、崩壊する危機さえある。スージーの願いはただ家族が自分が死んだ現実を受け入れて、できればもう怨みつらみに囚われることなく心穏やかにそれぞれの人生を生きて欲しいということである。ジャックが幼いスージーに教えたように、球体の中のペンギンは完璧の世界の中にいるから幸せなのであり、今はスージーがそのような世界に包まれているのである。だから妹が結婚し、スージーの母親のアビゲイルがついにスージーの部屋に入れるほどに彼女の死を受け入れた時にスージーは自分がいなくなった後の新しい‘愛しい人間関係の骨格(Lovely bones)’を確認して、スージーが唯一心残りだった恋人のレイとキスをして安心して天国へ旅立ったのである。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

離婚の勧め

2010-02-07 00:57:50 | Weblog

雅子さまのご病状 東宮職医師団の見解全文(朝日新聞) - goo ニュース

 私には今回の皇太子妃殿下の病状に関する東宮職医師団見解の内容が何度

読んでもよく分からない。妃殿下は適応障害(不安と抑うつ気分の混合を伴うもの、

慢性)」であり、大うつ病性障害(いわゆる「うつ病」)ではないらしいが、「適応障害」

は決して大うつ病性障害と比較して軽症ではないらしいのである。しかし“うつ病”

ではなくて“不安と抑うつ気分”であるならば“うつ病”よりも軽症としか考えられない。

“症状に基づく分類の診断”を言われても結局どういう意味なのか説明しなければ

国民には分からないだろう。その後に長い説明があるのだが、これは妃殿下に

限らずに誰にでも当てはまる普通の健康的な生活の勧めでしかない。“ご快復に

向けて驚くほど努力される”ことがストレスになって、いつまでたっても回復しない

原因であることは間違いないのだから、もしも私が妃殿下の主治医であるならば

とりあえず離婚することを勧める。つまり今の妃殿下は無理をして走っている車の

ようなもので、走りながらエンジンを修理しているようなものなのだから。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする